【ニュース・アメリカ】大学学長が2020年秋学期に最も急を要する問題と考えるのは学生の精神衛生

 
米国教育審議会(ACE)は10月8日、大学による新型コロナウイルス感染症パンデミックへの対応に関して大学学長を対象に実施した調査結果を
まとめた報告書「大学学長による新型コロナウイルス感染症対策:2020年秋学期調査」を発表した。

 
これによると、大学学長が最も急を要する問題と回答したのは学生の精神衛生(53%)で、以下、長期財務的実行可能性(43%)、教職員の精神衛生
(42%)、2021年春学期の在籍学生数(39%)、オンライン学習の持続(30%)
が続いた。その他の主な結果は以下の通り。

  • 2020年秋学期の在籍学生数を前年同期と比較すると、全体の55%が減少、23%がほぼ同じ、22%が増加と回答。セクタ別でみると、
    公立2年制大学学長の79%、公立4年制大学の学長の52%、私立4年制大学学長の48%が前年同期から減少と回答。また、公立4年制大学
    学長の51%は州外在住学生が減少と回答。さらに、公立・私立を問わず、全体の約70%は留学生数が減少と回答。
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  • 在籍学生数が前年同期から減少と回答した学長のうち、37%は減少率5%未満、37%は6~10%減、23%は11~20%減、2%は21~30%減、1%は減少率31%以上と回答。
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  • 在籍学生数が減少した大学学長は、減少の主な理由として、在籍留学生数の減少、対面式講座からオンライン講座への移行、経済的問題、
    家族内での責任増加、新型コロナウイルス感染症に関連する健康上の懸念などと回答。
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  • 2020年秋学期の講座形態は、55%が大半はオンライン講座で一部が対面式講座、32%が大半は対面式講座で一部がオンライン講座と回答。セクタ別でみると、公立2年制大学学長の81%、公立4年制大学学長の64%、私立4年制大学学長の40%が大半はオンライン講座と回答。
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  • 新型コロナウイルス感染症関連で実施している主な安全対策は、大学キャンパスでのマスク着用義務付け(96%)、教職員への個人用保護具
    の提供(88%)、ソーシャルディスタンス確保の為のクラス定員縮小(87%)、教職員の出張制限(83%)など。また、学生に対する新型
    コロナウイルス感染症検査の継続的実施を義務付けていると回答した学長は32%のみ。
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  • パンデミック対策のために支出が増加した主な項目は、技術費(92%)、清掃・維持管理費(90%)、学資援助(75%)、学生支援
    サービス(66%)、教育指導(58%)など。
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  • 学長の31%は、既に教職員の一時帰休・減給・解雇を実施と回答。また、今後12カ月間でこれらの措置が必要となる可能性があると回答した
    学長は、対象となる教職員は全体の約15%と予測。

10月8日


American Council on Education: College and University Presidents Respond to COVID-19: 2020 Fall Term Survey


 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ