【ニュース・アメリカ】大学卒業論文の質を左右する最大の要因は、学生の準備度との調査結果

高等教育コンサルタントのキャロル・トロセット(Carol Trosset)氏とカリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)最高データ責任者のスティーブン・ワイスラー(Steven Weisler)氏は、大学4年生の卒業論文に関する研究結果をまとめた論文「卒業論文を優れたものとする要因は何か?(What Makes a Senior Thesis Good?)」を学術誌「チェンジ:高等学習マガジン(Change:The Magazine of Higher Learning)」で発表した。

 

両氏は、学生789人から卒業論文に関する自己評価を収集し、その中の213人の卒業論文に関し、執筆者を明らかにせずに大学教員に評価を要請した。これらのデータから、トロセット氏とワイスラー氏は、「学生における準備度」が論文の質を左右する最大の要因となっていると結論付けた。一方、教員による監督や学生によるコミットメントなどの要因は、論文の質に影響を与えることはないものの、成績評価には影響しており、論文の質が必ずしも成績に反映されている訳ではないことが判明した。

 

また、学生に対する調査では、大半の学生が自身の論文に「非常に満足」と回答したのに対し、同研究の下で質が高い論文と評価されたものは約3分の1のみで、学生は論文の質を高めるための要因を理解していないとみられる。

 

2018年7月5日

 

Inside Higher ED:Preparation Is the Secret Sauce for Writing a Great Senior Thesis

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
統計、データ 統計・データ