【ニュース・アメリカ】スタンフォード大学、不快・有害言語リストをウェブサイトから削除

 
スタンフォード大学(Stanford University、カリフォルニア州)は、大学ウェブサイトやコードから、人種差別的・暴力的・偏見的な不快・有害言語を排除することを目指した「有害言語排除イニシアチブ(Elimination of Harmful Language Initiative)」ウェブサイトを2022年12月に立ち上げたが、これに対する批判が高まったため、12月20日にウェブサイトの閲覧が停止される事態に至った。

 
本イニシアチブは、同大学の最高情報責任者評議会(CIO Council:CIOC)及び非白人技術者アフィニティグループ「ピープル・オブ・カラー・イン・テクノロジー(People of Color in Technology:POC-IT)」によるもので、同イニシアチブのウェブサイトでは、①身障者差別、②年齢差別、③植民地主義、④文化盗用、⑤ジェンダー差別、⑥不正確な言語、⑦制度的人種差別、⑧パーソンファースト言語(person-first language、障害者について人と障害とを切り分けた表現であるが、障害をその人のアイデンティティとして認めず、ネガティブな意味合いを暗に含むとの批判あり)、⑨暴力的、等の10カテゴリーに分類した150以上の人種差別的単語・語句を有害言語として指定していた。

 
しかし、これらの有害言語には、「アメリカン(American、米国が北中南米を支配しているとの印象を回避するために『米国民(U.S. citizen)』と記載すべき)」、「挑戦する(take a shot at、暴力的比喩を回避するために『試みる(give it a go)』と記載すべき)」、「提出する(submit、服従するという意味合いを回避するために『処理する(process)』と記載すべき)」などが含まれており、学問の自由や表現の自由といったスタンフォード大学のポリシーと一致しないという批判が内外から出ていた。なお、同様の取り組みは、テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)やインディアナ大学ブルーミングトン校(Indiana University at Bloomington)等の他大学においても行われているが、具体的詳細は公開されていない。

 
1月11日


Inside Higher ED: Amid Backlash, Stanford Pulls ‘Harmful Language’ List


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
研究支援 研究公正性