【ニュース・アメリカ】パンデミック後の北米大学生、講座への興味の維持に苦労

 
学術出版社のワイリー(Wiley)社は2月13日、新型コロナウイルス感染症パンデミック後に北米大学の学生・教員が直面する現状に関する調査結果をまとめた報告書「2022年学生の現状(The State of the Student 2022)」を発表した。

 
本報告書は、2022年8月に北米大学の学生5,258人と教員2,452人を対象に実施した調査結果をまとめたもので、これによると大学生の55%と大学院生の38%が講座への興味を維持することに苦労していることが判明した。また、回答した学生の25%は、学習内容をより興味深いものとするために、講座内容を実社会に関連付けたものにすべきとした。ワイリー社学術学習担当上級副社長のスミタ・バクシ(Smita Bakshi)氏は、本調査結果はあらゆる分野に当てはまるとし、教員に対し、自身が研究で実際に使用するツールやプログラムの講座への導入や、時事問題の倫理に関する議論の実施などを提案している。その他の主な結果は以下の通り。

 

  • 学生の81%は、実社会での仕事の疑似体験をするために大学は企業主導のプロジェクトを導入すべきと回答したのに対し、当該プロジェクトを提供する大学は全体の30%のみ。
  • 学生の34%は、インターンシップ機会の確保は困難と回答。
  • 学びたい分野が不確定と回答した学生は、2021年調査時の9%から21%に増加。
  • 学生が特定の専攻分野を選択した理由は、興味のある分野(57%)、就職機会(46%)、当該分野に自身が良い影響を与えることのできる可能性(41%)など。
  • 学生の卒業後に向けた準備に関し、大学が有効に機能していると回答した教員は64%であるのに対し、学生は46%のみ。
  • 学生が卒業後に直面する問題についての懸念事項は、学生では職業スキルの欠如(29%)が最多であるのに対し、教員は時間管理能力(47%)と回答。

 
2月13日


Wiley: 
The State of the Student: Adjusting to the “new normal”…and all that comes with it
Inside Higher ED: 
Why Are Students So Disengaged?


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 質の保証、教育