【ニュース・アメリカ】大学におけるSTEM講座、教室における講座は講義形式が中心で、積極的指導・学習形式はまだ浸透せずとの調査結果

 
ネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska at Lincoln)科学准教授のマリリン・ステインズ氏(Marilyne Stains)らは、米国及びカナダの大学で開講されているSTEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)分野の約2,000講座に関し、教授形式の現状を調査した研究論文を「サイエンス(Science)」誌で発表した。
 
これによると、教室で行われる授業のうち、55%は講義形式で行われ、27%が講義形式を中心に一部でインタラクティブな内容を取り入れた形式、18%がグループ活動や討論を中心とする学生中心の形式であり、積極的学習はまだあまり浸透していないことが明らかとなった。
 
回答した教員の大半は、積極的学習理論には同意するものの、大人数・大教室という講座の設定ではグループ活動は現実的ではないとの意見が多く、実際に、STEM分野の入門講座は、受講者数が最多の講座となっている。
 
但し、ステインズ氏は、調査対象として参観した大教室での講座のうち、12%は積極的指導・学習技法を導入していることから、導入の可能性はあるとした。しかし、その一方で、教員自身が学生であった頃には全く経験のない積極的指導・学習技法を導入することに自信がない教員が多数いることを重視し、大学に対し、教員を対象とする研修の重要性を主張している。
 
2018年4月2日
 
Inside Higher ED:Lecture Instruction: Alive and Not So Well

 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
レポート 海外センター