【ニュース・アメリカ】国立衛生研究所(NIH)、採択審査過程における審査官による人種的偏見の影響に関する調査開始を決定

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)科学審査センター(Center for Scientific Review)のディレクターであるリチャード・ナカムラ氏(Richard Nakamura)は、NIHの助成受給研究を決定する審査にあたり、人種的偏見が影響しているか否かを検証するための調査を2014年9月から開始することを明らかにした。これは、2011年に「サイエンス(Science)」誌に掲載された研究で、白人研究者がNIH助成を受給する確率はアフリカ系米国人研究者の2倍であると判明したことなどが一因となっている。NIHは、提案書の審査に入る前に、研究者の名前や人種を判別できる要素となる記述を削除したものを審査官に提供し、審査結果への影響を調査する他、R01助成と呼ばれるNIH最大の研究プロジェクト助成プログラムにおいて助成受給が決定した提案書を分析し、審査官の記入したコメントから人種的偏見が存在するか否かを調査する。ナカムラ氏は、同調査を実施するには経費500万ドルと3年間の期間を要する可能性があるが、同調査により偏見を特定・根絶できることを確信しているとの見解を述べている。

URL1: http://www.nature.com/news/nih-to-probe-racial-disparity-in-grant-awards-1.15740

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 研究人材の多様性