【ニュース・アメリカ】国立衛生研究所(NIH)、遺伝子療法の臨床試験に義務付けられていた組み換えDNA諮問委員会(RAC)審査の免除を決定

2014年5月22日、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)のフランシス・コリンズ(Francis Collins)長官は、これまで組み換えDNA諮問委員会(Recombinant DNA Advisory Committee:RAC)による審査を受けることが必須となっていた遺伝子療法の臨床試験に関し、2013年12月に発表された米国アカデミー(National Academies)傘下機関である医学研究所(Institute of Medicine:IOM)の専門家委員会による報告書内の提案事項を受け入れ、今後は特別なリスクのある少数の臨床試験のみを審査の対象とすることを声明文(URL1)で発表した。RACによる審査は、本来、全ての遺伝子導入実験を対象としていたが、1980年代後半から遺伝子療法の臨床試験に重点を置いたものへと移行していった。しかし、同分野が十分に成長した上、遺伝子療法を取り入れた疾病治療が、他の実験的治療と何ら変わらないとの議論が持ち上がったこと、研究所内の倫理・バイオセーフティ委員会及び食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)による審査が義務付けられていること、及びRACによる審査のために治療法の進展が遅れることなどが理由で、その必要性を疑問視する声が上がっていた。NIHは今後、組み換えDNA研究に関する規則改正の提案書を発表することになる。

URL1: http://www.nih.gov/about/director/05222014_statement_iom_rac.htm
URL2: http://news.sciencemag.org/biology/2014/05/nih-will-no-longer-require-special-review-u.s.-gene-therapy-trials

地域 北米
アメリカ
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