【ニュース・アメリカ】国立衛生研究所(NIH)、高齢の科学者を対象とした「名誉」助成を提案するも不評

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、高齢の科学者を対象とした「名誉(emeritus)」助成を提案した。本助成は、実績ある高齢の科学者と若手研究者との共同研究を通して、経験の少ない研究者を支援すると同時に、第一線を退きたいと考える高齢科学者に、自身の研究を後進の若手研究者に継承させる機会を提供するものと、NIH委託研究担当のサリー・ロッキー氏(Sally Rockey)は自身のブログで説明している。しかし、これに対して科学コミュニティでは、高齢科学者が受給していた助成金を他の科学者に割り当てることこそが真の目的達成になる、また、退職前の科学者が現場に長期間留まることを助長し逆効果であるなど、同助成導入に反対する意見が主流である。中には、若手研究者の台頭は必要と、同助成の本質的目的には賛同する声もあるが、これは各研究所が取り組むべき問題であり、NIH主導で進めるものではないとする意見もある。ロッキー氏は、限られた予算の中で新しい助成プログラムが導入された場合、他のプログラムへの影響が懸念され、反対意見が出ることは理解できるとしている。なお、同助成に関しては、現段階では何も正式に決定してない。

URL1: http://news.sciencemag.org/funding/2015/02/nih-proposal-create-grant-aging-scientists-hits-nerve

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
人材育成 若手研究者育成