オバマ大統領が2016年2月に編成した国家サイバーセキュリティ強化委員会(Commission on Enhancing National Cybersecurity)は2016年12月2日、米国におけるサイバーセキュリティに関する報告書「デジタル経済の安全保障と成長に関する報告書(Report on Securing and Growing the Digital Economy)」を公開した。本報告書は、デジタル経済を保護し、成長を継続させるためには、次期大統領はサイバーセキュリティ関連の取り組みにおいて官民セクタ間での協力を強化することが必要と主張し、国際的パートナーシップの必要性も強調している。また、同報告書は、①インフラ、②投資、③消費者教育、④人材能力、⑤政府機能、⑥開かれた世界的デジタル経済、の6分野での提案事項を提示し、次期大統領就任後、最初の100日間にこれらの提案に基づく行動を起こすべきと提言している。具体的な提案例は以下の通り。
- 統合された連邦ネットワークを管理する、サイバーセキュリティ・重要インフラ保護のための省庁新設、もしくは、既存の省庁の役割を再編。
- デジタル個人情報管理を改善するために、全米レベルでの官民イニシアティブの立ち上げ。
- 消費者による個人情報保護を支援するために、新たなサイバーセキュリティ啓蒙・関与キャンペーンの立ち上げ。
- 新たなサイバーセキュリティ従事者10万人を養成するための人材養成プログラムを開始。
なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
National Institute of Standards and Technology(米国標準技術研究所):REPORT ON SECURING AND GROWING THE DIGITAL ECONOMY[PDF:513.82KB]
National Institute of Standards and Technology:Blue Ribbon Commission Urges Next President to Strengthen Cybersecurity Efforts in First 100 Days