【ニュース・アメリカ】卒業率の高い4年制大学、コミュニティカレッジ編入生の受入に改善の余地ありとの調査結果

2018年6月27日、アスペン研究所カレッジエクセレンスプログラム(Aspen Institute College Excellence Program)は、コミュニティカレッジから4年制大学への編入に関する調査報告書「才能の死角(The Talent Blind Spot)」を発表した。

 

これによると、毎年、成績平均点(Grade Point Average:GPA)3.0以上という成績優秀な低・中所得層のコミュニティカレッジ学生5万人超が、4年制大学への編入を断念しており、このうちの約1万5,000人は、GPAが3.7以上という非常に優秀な学生であるという。特に、70%以上の学生が入学後6年以内に卒業する高卒業率の4年制大学290校において、特に編入生の受入率が低くなっている。

 

例えば、ノースカロライナ大学チャペルヒル校(The University of North Carolina at Chapel Hill)では、1学年の学生数が約1万8,800人の学士課程において、入学後6年以内に卒業する学生の割合は91%と非常に高いものの、コミュニティカレッジからの編入生受入は毎年約200人に過ぎず、成績優秀なコミュニティカレッジ学生が4年制大学に編入しない理由として、学生の経済状況や家族に対する義務感などがあるとみている。なお、同大学では、2006年にノースカロライナ州で立ち上げられた4年制大学への編入促進プログラム「カロライナ学生編入エクセレンスプログラム(Carolina Student Transfer Excellence Program:C-STEP)」を導入後、コミュニティカレッジからの編入受入学生数が少しずつ増加しつつある。

 

本報告書共同執筆者のタニア・ラバイオレット(Tania LaViolet)氏は、コミュニティカレッジに対しても、学生の4年制大学への編入の橋渡しとなるために更なる努力をすべきと提言している。

 

本報告書は、以下よりダウンロード可能。(2部構成)
●THE ASPEN INSTITUTE:THE TALENT BLIND SPOT:The Case for Increasing Community College Transfer to High Graduation Rate Institutions[PDF:2.30MB]
●THE ASPEN INSTITUTE:THE TALENT BLIND SPOT:The Practical Guide to Increasing Community College Transfer to High Graduation Rate Institutions[PDF:4.84MB]

 

EdSurge News:Elite Colleges’ ‘Blind Spot’:Low-Income and High-Achieving Community College Students

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