【ニュース・アメリカ】共和党支持者の58%、高等教育は米国の方向性に悪影響を与えるとの見方

ピュー研究センター(Pew Research Center)は2017年7月10日、6月に米国人成人2,504人を対象として実施した米国人の意識調査の結果を発表した。

 

これによると、2年前の調査では、共和党支持者の54%は、高等教育は国家の方向性に好影響を与えるとして肯定的で、否定的な37%を上回っていたのに対し、昨年の調査結果では、高等教育に肯定的な共和党支持者は43%、否定的な者は45%と変化していた。今回行われた調査では、58%が高等教育に対して否定的で、肯定的影響を及ぼすと回答した36%を大きく上回ったことが明らかにされた。共和党支持者の過半数が高等教育に対して否定的な回答をしたのは今回の調査が初めてである。
一方、民主党支持者に関しては、今回の調査では、72%が高等教育は好影響を与えると回答し、2010年調査時の65%から増加しており、否定的と回答した19%を大きく上回っていることが明らかになった。

 

また、全米ネットのニュースメディアに対する見解も、支持政党による差が拡大していることが判明したが、高等教育に関する共和党支持者の意識の変化ほど急激なものではなかった。教会・銀行・労働組合などを含む米国の機構に対する全般的な見解は、今回の調査が前回までの調査から大きく異なる結果を提示することはなく、高等教育に関しても、全体では55%が肯定的な見方をしていることが明らかになった。それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 共和党内でも派閥による意識の差が明確で、保守派の65%が大学は悪影響を及ぼすと回答しているのに対し、穏健・リベラル派では43%。
  • 年齢層別にみると、大学に対して肯定的な見方をする共和党支持者は、18~29歳では52%であるのに対し、50~64歳では29%、65歳以上では27%。
  • 学歴別では、高等教育に対して肯定的な高学歴の共和党支持者の割合が減少。
  • 所得別では、高所得の共和党支持者ほど高等教育に対して否定的な傾向。
  • 民主党支持者では、年齢層による大きな違いはなく、学歴別では高学歴者ほど高等教育に対して肯定的な傾向。所得別では、高所得者ほど肯定的な傾向。

なお、本調査結果は、以下より閲覧可能。
Pew Research Center:Sharp Partisan Divisions in Views of National Institutions

 

2017年7月11日

 

Inside Higher ED:Deep Partisan Divide on Higher Education

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ