【ニュース・アメリカ】公立4年制大学の25%、社会的流動性・研究活動共に政府補助を受ける価値なし

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は2017年7月11日、競争率の高い4年制公立大学342校について、公的資金による補助を受けるに値する程度を、公益提供度合いを勘案して検証した報告書「はしごか、実験室か、それとも活気のない組織か?最も貢献度の高い公立大学はどこか(Ladders, labs, or laggards? Which public universities contribute most)」を発表した。

 

本報告書は、社会的流動性を評価するためにスタンフォード大学(Stanford University、カリフォルニア)で行われた「機会均等プロジェクト(Equality of Opportunity Project)」の税金データと、研究活動を評価するためにカーネギー財団(Carnegie Foundation)による独自ランキングをそれぞれ使用して、公金補助を受ける価値があるか否かを検証した。

 

この結果、全体の約25%の大学は、社会的流動性と研究活動の両方における成果が低く、公金による補助を受けるに値しないと分類された。また、約17%の大学は、研究活動に対する評価は高いものの社会的流動性が低い「実験室“labs”」に分類され、38%の大学は、社会的流動性に優れる一方で研究活動の評価が低い「はしご“ladders”」と分類された。社会的流動性と研究活動の両方で高く評価された大学は、全体の約20%であった。さらには、公金約20億ドルが毎年「活気のない組織“laggards”」の裕福な学生の補助金として拠出され、収入が下位20%の低所得家庭の学生は、これらの大学の在籍者全体の10%未満であることが判明した。同報告書は、従来の4年間での学位取得だけでなく、研修制度やコミュニティカレッジなどといった代替的な支援に重点を置いた高等教育機関改革に取り組むべきであると主張している。

 

BROOKINGS:Ladders, labs, or laggards?Which public universities contribute most

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価