【ニュース・アメリカ】公立大学に対する連邦資金拠出額、過去10年間で減少するも、米国成人の60%以上は増加もしくは同レベルと認識

 
公共ラジオ局アメリカン・パブリック・メディア(American Public Media)傘下のAPM研究所(APM Research Lab)は2019年2月25日、無党派報道機関のAPMレポート(APM Reports)教育チーム及びザ・ハッチンガー・レポート(The Hechinger Report)と共同で実施した、公立大学への公金投入に関する米国人の意識調査結果をまとめた報告書「大学に関する米国人の意識調査:政府資金拠出・支援(What Americans think about college: government funding and assistance)」を発表した。
 
本報告書は、2018年11月27日~12月2日に全米の18歳以上の米国成人を対象に実施した調査に対する1,003人からの回答に基づいて作成された。同調査では、

  1. 過去10年間で、公立大学への政府拠出額は全般的に増加・減少・同レベルのいずれと考えるか、
  2. 過去10年間で、公金を投入した大学奨学金及び学資ローンは、授業料に相応しい金額と考えるか、

の2点を質問した。
 
公立大学に対する政府拠出額は全般的に減少し、連邦奨学金及び学資ローンは、授業料の高騰に追随できていない一方で、本調査では、米国成人の34%は過去10年間で政府助成額はほぼ同レベル、27%は増加していると考えていることが判明した。また、政府が拠出する奨学金・学資ローンが授業料高騰に追随できていないと考える米国成人は33%に留まっている。
 
主な結果は以下の通り。

  • 学士号を保有し、世帯年収7万5,000ドル以上の民主党支持者グループが、全体の3分の1以上が過去10年間で政府拠出額が減少したと回答した唯一のグループ。
  • 性別で比較すると、過去10年間で政府拠出額が増加したと考える男性は31%であるのに対し、女性は24%。
  • 年齢別で比較すると、65歳以上のグループの32%が過去10年間で政府拠出額が増加したと回答したのに対し、45~54歳のグループでは22%のみ。
  • 地域別で比較すると、米国西部在住者の約33%が過去10年間で政府拠出額が増加したと回答したのに対し、北東部在住者では約20%のみ。
  • 世帯年収5万ドル~7万5,000ドルのグループの37%が過去10年間で政府拠出額が増加したと回答したのに対し、2万5,000ドル~5万ドルのグループでは25%のみ。また、世帯年収2万5,000ドル未満のグループの43%が政府拠出額は過去10年間でほぼ同レベルと回答したのに対し、7万5,000ドル以上のグループでは31%のみ。
  • 学士号以上保有者の約25%が過去10年間で政府拠出額は増加したと回答したのに対し、準学士号保有者及び大学教育を経験したものの学位を取得していない者では約33%が増加と回答。
  • 共和党支持者の約33%が政府拠出額は過去10年間で増加したと回答したのに対し、民主党支持者及び無支持党層では約25%のみ。
  • 連邦学資援助が授業料高騰に追随していないと回答したグループは、学士号以上保有者、世帯年収7万5,000ドル以上、非ヒスパニック系黒人、及び、民主党支持者。

 
なお、本報告書は、「What Americans think about college: government funding and assistance」からダウンロード可能。
 

2019年2月25日
 
APM Research Lab:APM Survey: What do Americans think about government funding and aid for public colleges and universities?
 

地域 北米
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