私立高等教育を支援する世界ネットワークの私立高等教育研究プログラム(Program for Research on Private Higher Education:PROPHE)は、世界初となる世界の私立高等教育機関に関する総合データを作成した。
本データは、主に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization:UNESCO)統計研究所(Institute of Statistics)及び、その他の国際機関の情報に基づくもので、192カ国のデータを対象としたものである。
本データの分析結果によると、世界中の大学生の32.9%に相当する5,670万人の学生が、私立高等教育機関に在籍しているという。また、米国は、歴史的に私立大学セクタが大規模であるが、米国で私立高等教育機関に在籍する学生の割合は、米国高等教育機関在籍者全体の27.5%で世界平均を下回り、世界の私立高等教育機関在籍者全体の10%のみであることが明らかになった。私立大学在籍者の割合が高いのは、ラテンアメリカ(48.8%)及びアジア(42.1%)で、全ての地域において、少なくとも大学生全体の10%は私立大学に在籍していることが判明した。
その他の主な結果は以下の通り。
- 大学在籍者を擁する179カ国において、私立高等教育機関が存在しない国は10カ国。
- 私立高等教育機関在籍者の割合は、発展途上国において高い傾向があり、大学在籍者全体に対する私立大学在籍者の割合は、カナダでは16.7%以下、オーストラリア及びニュージーランドは10.1%で、欧州は14.9%。
- 世界の私立高等教育機関在籍者の69.8%は発展途上国、30.2%は先進国に所属。また、先進国では私立高等教育機関在籍者の割合が大学在籍者全体の25.2%であるのに対し、発展途上国では37.8%。
- 私立大学セクタが世界最大の国はインドで、世界中の私立高等教育機関在籍者の21.9%に相当する1,200万人超が在籍し、米国私立大学セクタの約2倍。
- 私立大学在籍者の割合が非常に高い国は、高等教育システムが小規模である傾向。
2018年3月8日
Inside Higher ED:Global Boom in Private Enrollments