【ニュース・アメリカ】メリーランド州、公立大学による「奨学金置換」を禁止する法律を全米で初めて施行

米国では、学生が大学からの学資援助額を提示された後で外部機関からの奨学金を受領した場合、大学がそれと同額分を当該学生の学資援助額から差し引く「奨学金置換(scholarship displacement)」という措置が一般的に取られているが、メリーランド州は、この現状を改善するために、公立大学による奨学金置換を禁止する州法を2017年7月1日付で施行した。

 

大学に対して奨学金置換を禁じる法律を施行するのは、同州が初となる。7月から施行された本法の下では、大学が最初に学生に提示した学資援助額を減額できるのは、外部機関からの奨学金を含む学資援助総額が当該学生の必要な学費を越えた場合、もしくは奨学金提供者からの許可が得られた場合に限定されることになる。奨学金置換は、努力して外部機関から奨学金を獲得した学生から学資を盗むようなものとして批判を受けているが、大学側は、外部機関から支援を受けた学生の学資援助を、他に援助を必要とする学生のために割り当てることができ、限られた金額の学資援助を有効に活用するために必要な措置と主張してきた。なお、メリーランド州は、まずは公立大学のみを対象として同法を施行し、今後私立大学も同法の対象へと拡大することを検討している。

 

2017年7月4日

 

THE BALTIMORE SUN:Maryland becomes first state to outlaw scholarship displacement by public colleges

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
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