【ニュース・アメリカ】ブルッキングス研究所、公立大学に対する州政府からの補助金は不相応な割合で高所得層学生が受給との説を否定

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は2016年7月28日、「証拠は語る(Evidence Speaks)」シリーズの下で、公立大学に対する州政府からの補助金に関する報告書「公立大学に対する州政府補助金は富裕層に有利?(Do state subsidies for public universities favor the affluent?)」を発表した。

 

これによると、公立大学における教育費を埋め合わせるために支給される州及び地方公共団体政府からの補助金は、高所得家庭の学生への割当額が低所得家庭の学生よりも少額であることや、競争率の高い大学を含め、全種類の大学において低所得層学生が全体の約25%を占めていることが明らかになり、州政府からの補助金で公立大学の授業料を低減させることは、富裕層家庭の学生が不相応に利益を受けることになるという、近年主流となってきた主張に対抗するものとなった。

 

主要な調査結果は以下の通り。
•年収3万ドル以下の家庭の学生が受給する政府補助金は1人当たり平均7,305ドルであるのに対し、年収10万6,000ドル以上の家庭の学生では平均6,318ドル。
•高所得層学生は居住州外の大学に在籍する割合が高く、州政府からの補助金受給を見送ることが多いため、州外の大学に在籍する高所得層学生が支払う授業料の額は、大学による教育サービス支出以上。
•年収3万ドル以下の家庭の学生が、非常に競争率の高い大学に在籍する学生全体に占める割合は25.1%であるのに対し、受給する州政府からの補助金の割合は28.5%。一方、競争率が非常に低い、もしくは出願者全員が合格する大学に在籍する学生全体に占める割合は50.7%であるのに対し、受給する州政府からの補助金の割合は49.8%のみ。但し、最低所得層学生が受給する州政府からの補助金の割合が、同学生が学生全体に占める割合を下回るのはこのグループのみ。

 

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
Do state subsidies for public universities favor the affluent?[PDF:366.1KB]

 

Inside Higher ED:Are Public University Subsidies a Handout for the Wealthy?

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