【ニュース・アメリカ】パデュー大学、営利大学のカプラン大学を買収してオンライン講座主体の新たな公立大学を設立

公立大学のパデュー大学(Purdue University、インディアナ州)は2017年4月27日、営利大学のカプラン大学(Kaplan University、アイオワ州)を買収し、新たな公立大学を設立する計画を発表した。

 

新大学は、①社会人及び従来の大学キャンパスでの受講が難しい人々に対する高等教育機会の提供と、②オンライン講座の拡大、という2つの目的の下で運営される。パデュー大学学長のミッチ・ダニエルズ(Mitch Daniels)氏は、大学に進学したものの学位取得に至っていない社会人3,600万人や大学進学経験のない米国人5,600万人に対する高等教育の機会提供は不可欠とし、同大学のオンライン講座を拡大するために、ノウハウの確立されたカプラン大学の買収に至ったとしている。

 

今回、カプラン大学及び同大学の運営・資産をパデュー大学が買収することになり、これには全米15カ所にあるキャンパス・学習センターが含まれ、現在カプラン大学に在籍・所属する学生3万2,000人及び教職員3,000人は、新大学に移行することになる。新大学の名称は未定であるが、何らかの形でパデュー大学の名称が使われ、インディアナ州在住者には授業料割引の特典が与えられる予定である。元教育長官のアーン・ダンカン(Arne Duncan)氏は、世界レベルの大学が強力な営利大学の買収を通して社会人の教育機会を拡大するという初めての取り組みを称賛し、成功した場合はランドグラント大学の新しいモデルを創出する可能性があるとコメントした。

 

パデュー大学は現在、インディアナ州ウエストラファイエットに所在するメインキャンパスと、2カ所にある分校で教育活動を行っているが、新大学における授業の多くはオンライン講座となる。また、新大学では、現在カプラン大学学長を務めるベティ・バンデンボッシュ(Betty Vandenbosch)氏が総長に就任する他、カプラン大学運営母体であるカプラン社(Kaplan Inc.)の子会社が、技術サポート、人事、施設管理などを含む、学務関連以外の運営支援サービスを提供することになる。なお、新大学は、教育省(Department of Education)及び高等教育委員会(Higher Learning Commission)による承認を経て、正式に発足することになる。

 

Purdue University:Purdue to acquire Kaplan University, increase access for millions

 

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