【ニュース・アメリカ】ハーバード及びイェール大学研究者、安全な大学再開に向けて、2日に1回の頻度での検査と密集を避ける行動戦略を推奨

 
 ハーバード大学(Harvard University、マサチューセッツ州)とイェール大学(Yale University、コネチカット州)の研究者らは
7月31日、新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で2020年秋学期に大学キャンパスを安全に再開するための対策に関する論文「米国に
おける大学キャンパスの安全な再開を許可するSARS-CoV-2検査戦略の検証(Assessment of SARS-CoV-2 Screening Strategies
to Permit the Safe Reopening of College Campuses in the United States)」を、米国医師会(American Medical Association)
のオープンアクセス学術誌「JAMAネットワーク・オープン(JAMA Network Open)」において発表した。

 
 本論文は、大学再開に向けて、精度は低くとも短時間で結果が出る低価格の検査を2日に1回の頻度で実施し、厳格な行動戦略と組み合わせることで、
1人が感染させる人数を平均で2.5人未満に抑えることが安全な方策と結論付けている。但し、本戦略実現は、物流・財務・行動面での要求が高く、
多くの大学職員及び学生にとって実現可能範囲を超える可能性があるとしている。

 
 本論文で使用されたモデルは、大学構内の学生寮に滞在する学生5,000人のうち、10人が無症状且つ検出不能な陽性患者であり、秋学期を祝日の
レイバー・デー(Labor Day:9月第1月曜日)から感謝祭(Thanksgiving:11月第4木曜日)までの約80日間に短縮したものと仮定している。

 
 また、同モデルでは、1件当たりの実施コスト10~50ドル、感度70~90%、特異性98~99.7%の検査を様々な頻度で行った場合の費用を想定
している。これによると、感染率に応じて感度70%の検査を毎日、2日に1回、7日に1回実施した場合、学生1人当たりのコストは、それぞれ
910ドル、470ドル、120ドルとなった。

 
 さらに、5,000人の学生に2日に1回の頻度で検査を実施する場合、想定した学期内に19万5,000件以上の検査が必要となるものの、十分な検査キットの
確保に懸念
があるとしている。本論文に対する論評では、本論文で推奨されている2日に1回の頻度での検査実施は、疾病管理予防センター
(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)による指針を上回るものであり、大学にとって重要な注意喚起であるとされている。
 
なお、本論文は、こちらから閲覧可能。
 

 
8月3日
 


Inside Higher ED: COVID-19 Roundup: Study Recommends Testing Every 2 Days

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ