シンクタンクのセンター・フォー・アーバン・フューチャー(Center for an Urban Future)は、ニューヨーク州の大学授業料無料化プログラム「エクセルシオール奨学金(Excelsior Scholarship)」の2018年データを分析した結果、ニューヨーク市立大学(City University of New York:CUNY)及び州全域のコミュニティカレッジに在籍する学生は、本プログラムを十分に活用できていないことを明らかにした。
同センターの分析は、プログラム参加者数は増加しているものの、2017年データの分析結果をまとめた昨年の報告書で挙げられた問題と同じ問題に直面していると指摘した。主な結果は以下の通り。
- エクセルシオール奨学金受給者数は、2017年の2万458人から2018年は2万5,100人に増加。但し、ニューヨーク州の大学の学部課程在籍者数全体に占める割合は、2017年の3.2%から2018年は4%に増加したに留まる。奨学金受給者数の増加は、受給対象者の世帯当たりの収入上限が10万ドルから12万5,000ドルに引き上げられたことも一因。
- コミュニティカレッジ在籍者は、ニューヨーク州の大学の学部課程在籍者数全体の48%を占めるにもかかわらず、コミュニティカレッジ在籍者に付与される同奨学金は全体の約19%のみで、2017年の24%から低下。
- ニューヨーク市外に位置する大規模4年制大学の学生が、学生数が全体に占める割合とは不釣り合いに多額のエクセルシオール奨学金を受給。
- ニューヨーク州立大学(State University at New York:SUNY)4校では、それぞれ在籍学生1,000人以上が同奨学金を受給している一方、ニューヨーク市立大学では、同奨学金受給者数は、ホストスコミュニティカレッジ(Hostos Community College)で9人、ブロンクスコミュニティカレッジ(Bronx Community College)で10人など、非常に少数。
3月23日
Inside Higher ED: N.Y. Free Tuition Program Lags at Community Colleges