【ニュース・アメリカ】トランプ大統領、6カ月後にDACAプログラムを廃止へ

ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官は2017年9月5日、幼少期に親などに連れられて米国に不正入国した「ドリーマー(Dreamer)」と呼ばれる不法移民約80万人を対象として、強制送還に脅かされることなく米国で大学進学・就職・自立する機会を提供する「幼少期来訪者に対する繰延措置(Deferred Action for Childhood Arrivals:DACA)」プログラムに関し、議会に法律改正のための猶予を6カ月間与えるが、それ以降は段階的に廃止することを発表した。

 

今回の措置は、保守派の州検事総長10人が、大統領がDACAを9月5日までに終了させない場合は提訴すると明言していたことから、その対応として発表されたものである。今回の発表に先立ち、政治家・宗教関係者・弁護士・教育者・ビジネスリーダーらによる激しいロビー活動が行われ、その中で、DACA廃止は、国家経済に悪影響を及ぼすだけでなく非人道的であるとの論議が交わされていることから、中道派共和党議員の一部も同プログラム存続を支持している。
DACA廃止の発表を受けて、同プログラムを設立させたオバマ前大統領は、米国において事業・研究・軍事面で貢献する若年世代を標的とすることは誤りであり非情であるとコメントしている。

 

トランプ大統領は、DACAの下での新規就労許可の受付は行われないものの、『既に発給済みの許可は本日から2年間に満了するまでは有効』で、手続き中の許可・更新申請も今まで通りに手続きされるとし、単にDACAを廃止するのではなく、議会に対応のための時間を与えるものと強調している。また、国土安全保障省のエレーン・デューク(Elaine Duke)氏は、DACA対象者は、2018年3月5日までは何ら影響を受けることはないとの声明を発表したが、(本日)2017年9月5日以降に提出された新規申請は処理しないとしている。DACA反対派は、同プログラムが「行政府による違憲行為」と主張しており、セッションズ長官は、合法な移民システムは国家の利益に基づくもので、入国希望者全員を許可することはできないとコメントした。これに対し、ニューヨーク州検事総長のエリック・シュナイダーマン(Eric T. Schneiderman)氏及び同州のアンドリュー・クオモ(Andrew M. Cuomo)知事は、大統領がDACAを廃止した場合は提訴するとの声明を9月5日に発表している。

 

ニューヨーク州検事総長及び知事による声明は、以下より閲覧可能。
NEW YORK STATE ATTORNEY GENERAL:Attorney General Schneiderman And Gov. Cuomo Announce That New York State Will Sue If President Trump Ends Deferred Action For Childhood Arrivals Policy

 

2017年9月5日

 

The Chronicle of Higher Education:Trump Will End DACA in 6 Months, Confirming Dreamers’ Fears and Putting Onus on Congress

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
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