【ニュース・アメリカ】テニュア前の大学教授、授業指導における成功にポジティブな影響を与える因子は同僚間の協調

ノースダコタ大学(University of North Dakota)教育・人間発達学部准教授のロバート・スタプニスキ氏(Robert H. Stupnisky)らは、テニュア前の大学教員の成功に関する概念モデルを作成・検証した研究論文「テニュア前の大学教員の授業指導・研究における成功モデルの試験~動機付けをバランス・期待・同僚間の協調関係のメディエーターとして~(Testing a Model of Pretenure Faculty Members’ Teaching and Research Success: Motivation as a Mediator of Balance, Expectations and Collegiality)」を「高等教育ジャーナル(The Journal of Higher Education)」誌で発表した。本研究では、①研究・授業・サービスのバランス及び公私のバランス、②専門家としての責任に関する明確な期待、③同僚間の協調関係、の3つを繰り返し登場するテーマとし、自己決定理論に関する研究を組み合わせてテニュア前教員の成功に関する概念モデルを構築し、米国中西部に所在する公立研究大学2校に勤務するテニュア前の教員105人からのアンケート調査への回答を分析したうえで、モデルの評価を行った。調査では、参加者に対し、個人の基準、学部の基準、他の教員による基準に照らし合わせて、自身の指導及び研究の成功をどのように認識しているかの他、自分自身の基準に基づいてどの程度の成功を収めることを期待しているかを質問した。回答法は、バランス、明確な期待、同僚間の協調関係に関する記述に対し、どの程度同意するかを回答するという方式であった。その結果、授業指導に関しては、同僚との協調性が成功にポジティブな影響を及ぼす最大の因子であることが判明した。一方、研究の成功に関しては、明確な期待が動機付けを低下させる可能性があることが判明した。論文執筆者らは、今後更なる研究を継続するとしている。

 

2017年3月23日

 

なお、本論文の要約は、以下より閲覧可能。
Taylor & Francis Online:Testing a Model of Pretenure Faculty Members’ Teaching and Research Success:Motivation as a Mediator of Balance, Expectations, and Collegiality

 

Inside Higher ED:Model for Success

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 教員の養成・確保