【ニュース・アメリカ】ジョンズホプキンス大学長、生物医学分野における若年層の科学者減少傾向に対して警鐘

ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University、メリーランド州)のロナルド・ダニエルズ学長(Ronald Daniels)が執筆した論文「危機に晒された世代 ~若年層の研究者と生物医学分野における人材の将来~(A generation at risk:Young investigators and the future of the biomedical workforce)」(URL1)が、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に掲載された。ダニエルズ氏は、若年層の科学者は自己資金がない限り自分の研究室を持つことも研究を進めることも学術界で昇進することもできないため、その多くが学術研究を去り、企業における職や科学関係以外の職業に就いていることを指摘し、将来メンターとなる人材や若年層特有の大発見が減少するなど、様々な問題があると警告している。また、ダニエル氏は、同分野における若年層の研究者減少の原因として、①ポスドク研究者としての研修期間の長期化に伴う大学教員就任時の年齢上昇、②研究助成割当及びピアレビューにおける、より経験ある研究者の偏重、③大学による研究費負担の増加、の3点を挙げている。同氏は、若年層の科学者のためのプログラム拡大が予算の制約により進まないという現状はあるが、研究助成の審査にあたり、単一の研究に重点を置くのではなく、研究者の可能性を重視すべきと提案している。

URL1: http://www.pnas.org/content/early/2015/01/02/1418761112.full.pdf+html
URL2: https://www.insidehighered.com/news/2015/01/07/share-research-funding-going-young-scientists-declining

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 若手研究者育成、研究者の雇用、教員の養成・確保