大学アクセス・成功研究所(The Institute for College Access & Success:TICAS)は2016年6月29日、コミュニティカレッジの学生による連邦学資ローン利用可能性に関する報告書「拒否の実態~コミュニティカレッジの学生による連邦学費ローンへのアクセスの欠如~(States of Denial: Where Community College Students Lack Access to Federal Student Loans)」を発表した。
これによると、米国の32州において、コミュニティカレッジに在籍する学生の約9%に相当する約100万人の学生が、連邦学資ローンを利用できないことが明らかになった。理由は、大学が連邦学資ローンを学生に提供しないことを選択しているためである。
その他の主要な調査結果は以下の通り。
•連邦学資ローンを利用できない約100万人の学生のうち、46%はカリフォルニア州及びノースカロライナ州の大学に在籍。
•アラスカ、アラバマ、ジョージア、ルイジアナ、モンタナ、ノースカロライナ、テネシー、ユタの8州では、コミュニティカレッジに在籍する学生の20%以上が、連邦学資ローンプログラムに参加しない大学に在籍。一方、18州では、全てのコミュニティカレッジが同プログラムに参加。
•人種別では、米国のコミュニティカレッジ学生全体の中で、連邦学資ローンへのアクセスが欠如している学生の割合は、ラテン系学生10.5%、アフリカ系学生12.7%、米国先住民学生22.2%であるのに対し、白人学生は8.3%でアジア系学生では4.5%。
•都市圏と非都市圏のコミュニティカレッジ学生を比較すると、連邦学資ローンを利用できない学生は、都市圏では6.9%であるのに対し、非都市圏では16.9%。
•連邦学資ローンを提供しない大学のうち、少なくとも十数校は、リスクと返済金額の高い民間ローンの利用を奨励。
なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
States of Denial: Where Community College Students Lack Access to Federal Student Loans[PDF:1.63MB]
The Institute for College Access & Success:Nearly 1 in 10 Community College Students Can’t Get a Federal Student Loan[PDF:158.5KB]