オバマ大統領は2015年2月2日、2016年度予算案を発表し、この中で、研究開発費として2015年度より80億ドル増（6％増）の1,460億ドルを要求した。政権によると、同予算案は、米国における雇用創出、人間の健康増進、クリーンなエネルギー・水・食品へのアクセス強化、世界的な気候変動への対処、環境資源に対する需要競争の管理、国家安全保障の確保などを支援するもので、官民セクタにおける研究開発の国際的リーダーシップの強化に貢献するとしている。主要分野における具体的予算案は以下の通り。
・基礎・応用研究費に2015年度比20億ドル増の670億ドルを要求
・連邦STEM教育5年戦略計画（Federal STEM Education Five-Year Strategic Plan）の指針に基づくSTEM学習の向上・拡大のために同3.6％増の30億ドル超を要求
・プレシジョン・メディシン・イニシアティブ（Precision Medicine Initiative：PMI）立ち上げに2億1,500万ドルを要求
・抗生物質耐性への対応・予防のために12億ドル超を要求
・ロボット工学、サイバー物理システム、ビッグデータ、マテリアルズ・ゲノム・イニシアティブ（Materials Genome Initiative）、米国ナノテクイニシアティブ（National Nanotechnology Initiative）、及び工学生物学などの産業・職業の基礎を構築する研究開発を支援
・政府全体でクリーンエネルギー技術プログラムに対して約74億ドルを要求
・13省庁が関与する米国世界的変動研究プログラム（U.S. Global Change Research Program：USGCRP）に約27億ドルを要求
・国防総省（Department of Defense）の科学技術プログラムに123億ドルを要求
