信用格付け会社のフィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)社は3月12日、新型コロナウィルス「COVID-19」の感染拡大が米国大学の運営及び在籍学生数に及ぼすリスクを検証した結果を発表した。
これによると、大半の大学は、感染症の流行に対処するためにリスク管理計画を作成しているとしながら、流動資産が限られている大学、運営資金として大学基金への依存度の高い大学、授業料収入への依存度の高い大学は、影響を受けやすい傾向があるとした。その他の主な結果は以下の通り。
- 大学閉鎖期間が数週間であれば、さほど大きな影響は受けないものの、閉鎖期間が長期化して2020年秋学期にまで及ぶことになると、寮費・食費・駐車場代などの手数料収入減少が問題となる可能性あり。また、運動競技イベント収入への依存は低いものの、試合などの中止により収入減の可能性あり。
- オンライン講座が長期に亘って拡大される可能性あり。そのため、しっかりとしたオンライン学習プラットフォームを持たない大学は、登録学生数が減少する可能性あり。
- 2020-2021学年度の留学生在籍数は減少する可能性あり。また、米国人学生は、在住地近隣の大学に進学する傾向が見られる可能性あり。
- 市場の低迷は、大学基金に悪影響を及ぼす可能性あり。但し、信用格付けには大きく影響しない見込み。
- 州政府予算がコロナウィルス感染拡大による影響を受けた場合、公立大学補助金が最初に削減される可能性あり。
Fitch Ratings: Fitch Rtgs: Coronavirus Poses Risk to US University Operations, Enrollment
3月12日