【ニュース・アメリカ】「ヤング・ミレニアル」世代、「ティーン」と比較すると大学卒業後の生活に対して現実的

TDアメリトレード社(TD Ameritrade)は、13~19歳の「ティーン」及び20~26歳の「ヤング・ミレニアル」と呼ばれる年齢層の米国人2,000人を対象とした金銭・教育・就職後の生活に関する調査結果をまとめた報告書「ヤングマネー調査(Young Money Survey)」を発表した。

 

これによると、「ティーン」の65%が大学卒業後は実家に戻らないであろうと回答しているのに対し、「ヤング・ミレニアル」の48%は、大学卒業後に実家に戻っていることが明らかにされた。また、「ティーン」が26歳で実家に住むのは恥ずかしいと回答しているのに対し、「ヤング・ミレニアル」は28歳までとの回答が大半であったが、27%は30~34歳まで、11%は35歳まで実家に住むことを容認すると回答している。

 

これらの結果に関し、TDアメリトレード社首席ストラテジストのJJ・キナハン(JJ Kinahan)氏は、今日の大学卒業生は、学費の高騰と給与の伸び悩みが原因で財政的に厳しい状態にあるためと分析しており、実家での生活は、家賃として出ていく現金を貯蓄・投資・学資ローン返済などに充てるための短期的な犠牲で、将来の長期的な計画を立てる上ではプラス面も多いとしている。それ以外の主要な結果は以下の通り。

  • 「ティーン」「ミレニアル」共に、約30%は企業に就職するという堅実なキャリアを好み、起業希望者は約25%、非正規採用希望者は10%のみ。
  • 全年齢層において、望ましい専攻分野は医学が最多であるが、芸術と回答したのは「ティーン」が17%であるのに対して「ミレニアル」は9%。また、「ティーン」ではこれらに次ぐ分野が技術、工学の順であるのに対し、「ミレニアル」はビジネス・金融・会計に対する関心が高い。
  • 就職後の昇進に関しては、「ミレニアル」が就職から3年後、「ティーン」が4年後と回答。また、いずれのグループも6年に1回の頻度で転職と回答。
  • 「大切なこと」として挙げられたのは、家を所有すること(ティーン70%、ミレニアル65%)、高給職に就くこと(ティーン55%、ミレニアル45%)、違いを生む仕事に就くこと(ともに45%)などで、勤務時間の柔軟性を自宅勤務よりも高く評価。
  • 「ミレニアル」の57%は大学・専門学校にかかるコストは将来にとって良い投資と回答。また、80%は現在の職業に就く上で大学で取得した学位は重要と認識。さらには、76%が仕事で定期的に大学での専攻分野の内容を活用と回答。その反面、20%は大学教育は学費相当の価値がないと回答。
  • 大学に進学した「ミレニアル」の平均学資ローン負債額は1万205ドルで、人生における重要なマイルストーンの時期が遅れる原因になっていると回答。

2017年5月11日

 

Business Wire:New Grads Say College Degrees Worth It As They Move Back Home(報告書PDFあり)

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ