【ニュース・アメリカ】「ペル・グラント」受給資格の短期プログラムへの拡大に対する支援は限定的(7月24日)

大学アクセス・成功研究所(Institute for College Access and Success:TICAS)は7月22日、報告書「陰に潜む短期プログラム ~プログラム期間・コスト・報酬に関してデータが提示するもの~(Short-Term Programs in the Shadows: What Data Show about Program Length, Cost, and Payoff)」を発表した。
 
本報告書は、政策決定者の間での関心が高まりつつある、低所得層学生向け連邦奨学金「ペル・グラント(Pell Grant)」の受給資格を、単位を付与しない短期プログラムにも拡大することに関し、支持が限定される証拠を提示している。
 
また、プログラムの質の高さを確認することなく、既に資金不足のプログラムに受給資格を拡大することに対する懸念も表明している。さらに、連邦学資援助受給資格を持つ短期プログラムを特定するために必要な、全米レベルでのデータソースが存在しないことを指摘している。
 
これに加え、テキサス州・ミズーリ州・アイオワ州の既存プログラムの詳細を検証した結果、短期プログラムの期間・提供者・分野・産業界との連携・学生の成果などは様々であることが判明したとしている。
 
これらの結果を受け、TICASは、政策決定者に対し、①基準の追跡が可能なデータシステム改善に向けて投資すべき、②受給資格の拡大及び、拡大によるプログラム・学生への影響に関する詳細評価を可能とするために、時間をかけて拡大すべき、③受給資格を付与するプログラムは、既に高等教育法第4条(Title IV)の下で学資援助受給資格を保有する大学が提供するプログラムに限定すべき、④最低限の質に関する基準を設定すべき、などを提案している。
 
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
 

National Association of Student Financial Aid Administrators: Report: Evidence to Support Short-Term Pell Grants Is Scarce

地域 北米
アメリカ
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