世界保健機関(WHO)との協力により、デンマーク工科大学(DTU)は世界中の廃水の分析を含めた新規プロジェクトを発足させた。COMPAREと題された本プロジェクトは、全人類の体内にどれだけの病原性微生物と耐性バクテリアがいるかを明らかにすることを目指している。「本プロジェクトで、迅速かつ比較的入手しやすい世界中の大量のデータ生成法の実現可能性を明らかにしたい。このプロジェクトが病気監視におけるパラダイム・シフトへの道を開いてくれれば」とFrank Møller Aarestrup DTU教授は話す。研究結果は、新監視システムの開発につながり、感染症の発見・予防や耐性バクテリア・ウイルス・寄生生物への対策に重要な情報が提供できる可能性を持つ。
(補足)
WHOによると、5800万人の年間死亡者のうち、4人に1人が感染症によるものとされる。現状、病気の蔓延と感染確率に関する入手可能情報には限りがあるが、今回のDTUのプロジェクトにより、世界70か国からの廃水が分析される。この分析データが将来的にエボラウイルスのような耐性バクテリアへの対策に使われる可能性がある。