【国際協力員レポート・イギリス】英国大学のブランディングとブレクジット

 
英国は、過去20年以上にわたって受入留学生数が世界で上位1の「留学生大国」である。
 
本稿は、多くの留学生を引き付けてきた英国の大学の魅力の一つあるブランドの強さに着目し、それがいかにして構築されてきたのか(ブランディング)について考察することを目的とする。同時に、英国のEU離脱(ブレクジット)が英国の大学とブランドに及ぼす影響についても検討する。
 
なお、執筆にあたり、英国大学等4機関の職員にインタビューを実施し、それぞれのブランディング及びブレクジットに関する取組みや見解等について伺った。対象とした大学等の概要及びインタビュー対応者は以下のとおり。
 
(1)University College London (UCL)
University College London(UCL)はロンドン大学群を構成するカレッジの一つで、学生約4万人を擁する英国屈指の大規模総合大学である。英国のトップ研究大学で構成されるラッセルグループの一員で、これまで29名のノーベル賞受賞者を輩出するなど業績と知名度において英国を代表する大学の一つである。かつて伊藤博文が学ぶなど日本との関わりが深い大学としても知られる。
 
インタビュー対応者:
Ms. Hannah Legg
Senior Liaison & Recruitment Officer
Student Recruitment Marketing
 
(2)Coventry University
イングランド中部 Coventryにキャンパスを構え、学部ごとにキャリアセンターを置き高い就職率を維持するなど充実した学生支援と教育の質の高さに特徴がある。大学に対する学生の評価は高く、2018年にはUniversity of the Year for Student Experience(The Times and Sunday Times Good University Guide 2019)を獲得している。ポリテクニックという前身もあって産業界と深い結び付きがあり、これを活かした起業支援やインターンシップなど実践的なコースが豊富に提供されている。
 
インタビュー対応者:
Ms. Carolyn Wynne
Doctoral College Manager
Doctoral College and Centre for Research Capability and Development
 
(3)London School of Economics and Political Science (LSE)
ロンドン大学群のカレッジの一つでラッセルグループの一員。卒業生からは、経済学、文学、平和分野のノーベル賞受賞者18名、世界各国の首相・大統領及び国家元首34名を輩出するなど、その影響力は世界に及ぶ。各種ランキングでも社会科学分野で世界トップの評価を受けている。留学生比率(約70%)が世界で最も高い大学の一つである。
 
インタビュー対応者:
Mr. Will Breare-Hall
Student Recruitment and Study Abroad Manager
Student Marketing and Recruitment
 
(4)Universities UK International(英国大学協会国際部)
英国大学協会は、英国136大学が加盟する英国大学の代表機関であり、教育、研究、奨学金を通じて国内外の学生・一般市民への英国大学のインパクトを最大化することを目的として活動している。日本における国立大学協会の対応機関である。
 
インタビュー対応者:
Dr. Nicholas Mithen
Policy Officer-Asia
 
報告書全文はこちらから閲覧可能(PDFファイル:1MB)
 
【氏名】 里村 遼
【所属】 奈良先端科学技術大学院大学
【派遣年度】 2018年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ロンドン研究連絡センター

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
国際交流 国際化
人材育成 入試・学生募集
レポート 国際協力員