【ニュース・中国】高等教育機関における革新・起業教育改革の深化に関する状況

 
教育部のウェブサイトは今日、同部が記者会見を行い、高等教育機関における革新・起業教育改革の深化、中国「インターネット+」大学生の革新・起業コンテストによるイノベーション・教育の推進の状況について紹介したことを明らかにした。
 
教育部高等教育司のある責任者は次のように語る。「イノベーションは民族の進歩の魂であり、国の隆盛・発達における無尽蔵な原動力でもある。習近平総書記は、『現在の世界は過去100年に類を見ない大変動に直面しており、新たな科学技術革命と産業革命という時代の波が押し寄せている。我々が変化に対応し、変化を求めなければ、発展のチャンスを失い、ひいてはこの時代全体を逃してしまうことになる』と深く指摘した。」
 
2015年5月、国務院弁公庁は「高等教育機関における革新・起業教育改革の深化に関する実施意見」を公布し、人材育成の質の基準を整え、人材育成の仕組みを刷新し、革新・起業教育のカリキュラムを整備し、教育方法と試験方式を改革し、革新・起業の実践を強化するという一連の任務・措置を打ち出した。近年、総書記の重要指示の精神と党中央・国務院の決定・配置を実施するため、教育部は、拠点の建設、コンテストの実施、実践の強化など一連の力強い措置を実施し、革新・起業教育改革で顕著な成果を上げた。
 
一.実際の活動に精力的に励んで、革新・起業教育改革を根付かせる
 
革新・起業教育は高等教育における人材育成改革の重要な突破口である。近年、教育部は実際の活動に精力的に励んで、人材育成の重点分野とカギとなる部分における改革を大いに推進し、一連の改革措置を打ち出した。それらは主として以下の六つの点に現れている。

一つ目は、拠点を建設し、手本を確立したという点である。教育部は国家発展改革委員会と共同で19の高等教育機関に革新・起業モデル拠点を設け、200の革新・起業教育改革深化モデル高等教育機関を設立し、これらを改革モデルとして高等教育機関の革新・起業教育改革の深化をリードするために、中央財政から計8億8,000万元の革新・起業教育改革モデル区設立の支援金が拠出された。
 
二つ目は、基準を定め、質を向上させたという点である。教育部はとくに本科の専門教育の質をはかる国家基準を公布し、各専門の革新・起業教育目標・要求およびカリキュラム要求を明確にしたことで、高等教育機関における革新・起業教育改革に指針ができた。
 
三つ目は、カリキュラムの基盤を打ち固めたという点である。革新・起業教育のオンライン・オフライン「一流授業」の確立に力を入れた結果、現在全国では累計2万8,000回あまり、各モデル校では2,800回あまりのオンライン・オフライン授業が行われ、受講者数は延べ630万人近くに達した。また、国家級精品公開オンライン講座に依拠し、52の革新・起業教育精品大規模公開オンライン講座(MOOC/ムーク)を開設した。革新・起業教育のカリキュラム体系は絶えず整備されている。
 
四つ目は、教員人材を強化し構造を最適化したという点。高等教育機関に対し各産業の優れた人材を招聘し革新・起業教育の専任教師・非常勤教師を担当させるよう促した結果、現在全国の高等教育機関における革新・起業教育専任教師は2万8,000人近くに、非常勤の指導教員は9万3,000人あまりに達した。1万人規模の全国の優れた革新・起業指導教員人材バンクを設立し、第1弾として4,492人が登録された。年度ごとに革新・起業教育教員人材研修班を開催し、教員全体の革新・起業教育レベルを向上させた。
 
五つ目は、政策を推進し、活力を解き放ったという点。フレキシブル学制を全面的に実施し、学生の革新・起業を支援した。革新・起業関連の単位の蓄積・交換制度、公開オンライン講座学習認定・単位認定制度を確立し、大学生の革新・起業に対する活力を大いに刺激した。
 
六つ目は、実践を強化し、能力を鍛えたという点。「国家級大学生革新・起業訓練計画」を掘り下げて実施し、学生主体でイノベーション関連の実践を展開するよう提唱した。今年は118校の部直属高等教育機関および932校の地方高等教育機関の3万8,400件のプロジェクトが立案され、参加学生数は計16万1,000人、プロジェクト費用は5億9,000万元に達し、大学生の革新・起業実践能力を効果的に向上させた。

 
二.コンテストによってイノベーションを推進し、世界最大の革新・起業プラットフォームを開花させる
 
中国「インターネット+」大学生革新・起業コンテストは、中国が革新・起業教育改革を深化させるための重要な媒体およびプラットフォームであり、コンテストは革新・起業の夢を実現したい大学生にとって開かれた「美しい天窓」となる。2015年の創設以来、今年で第5回を数える。今年6月13日、李克強総理は「全国革新・起業ウィーク」のメイン会場で中国「インターネット+」大学生革新・起業コンテスト成果展を重点的に観覧し、コンテストが過去5年で獲得した成績を高く評価し、称賛した。
 
コンテストの成果を総括すると、「五つの一」に体現される。

一つ目の「一」は、一つの勢いある革新・起業精鋭部隊が結成されたことである。過去5回のコンテストに累計230万チーム・947万人の大学生が参加し、理想・能力・責任感がある、途切れることない一群の「青春の力」を育成した。
 
二つ目の「一」は、一つの最大にして最も注目を集めている国内情勢と政治思想に関する授業が行えたことである。この3年間で、累計170万人の大学生が「青年の革命の夢を築く旅」に出て、中国の大地に根ざし、国や民衆の状況を知り、理想と信念を確たるものにし、何ものにも屈さず自分の信念に基づいて行動する気持ちをもてるようにし、貧困脱却扶助と農村振興のへ支援をピンポイントで行った。
 
三つ目の「一」は、一つの最も大きなイノベーション授業を行ったことである。コンテストは高等教育部門、職業教育部門、国際部門を基本に、今年は高校生を対象とした萌芽部門も開催した。その狙いは、大学生・高校生にイノベーション意識を芽生えさせ、イノベーション思考を広げ、幅広くイノベーション活動を行い、研究成果の実用化・応用化を後押しし、自覚をもって国のイノベーションの発展に貢献するよう導くことである。
 
四つ目の「一」は、一群の質の高い起業プロジェクトをインキュベートしたことである。コンテストは顕著なイノベーション促進効果を見せた。我々が行った調査で、コンテスト後に会社設立に至ったプロジェクトのうち、90%近くがコンテスト後1年以内に立ち上げられており、約半数の会社が融資を受け、19%のプロジェクトが5,000万元以上の融資を受けていることが分かった。実践系プロジェクトの2018年の年間売上は5,000万元以上が13%、最高では2億元を突破している。
 
五つ目の「一」は、すばらしく他にはない革新・起業の一大祭典に貢献できたことである。過去5年で、5大陸の120余りの国と地域から1,000万人近くの大学生がコンテストに参加しており、世界最大の革新・起業教育交流プラットフォーム、そしてすばらしく他にはない国際的な革新・起業の祭典が形づくられつつある。

第5回コンテストは「高等教育、職業教育、国際、萌芽(高校生)」の4部門が設けられ、「より全面的に、より国際的に、より中国的に、より教育的に、より創造的に」という開催目標が達成できた。5大陸の124の国と地域の4,093の教育機関から、457万人の大学生、109万チームがコンテストに参加し、参加プロジェクトと学生数は過去4回のコンテストの参加プロジェクト・学生数のトータルに匹敵する数字となった。うち、国際部門は120の国と地域の1,153の教育機関から6,000余人の大学生が参加し、コンテストを「百国千校」の世界的な大学生革新・起業祭典に押し上げた。習近平総書記が第3回中国「インターネット+」大学生革新・起業コンテスト「青年の革命の夢を築く旅」の大学生に寄せた返信の精神を徹底実行するため、100万人の大学生、23万8,000件の革新・起業プロジェクトは「青年の革命の夢を築く旅」に出て、農家74万8,000戸、企業2万4,204社と1万6,800件余りのプロジェクトの提携契約を結び、約64億元の経済効果を生み出した。
 
三.理念を再構築し、高等教育における人材育成モデルを徹底改革する
 
革新・起業教育改革は、革新・起業教育を資質教育の各部分と人材育成の全プロセスに融合させ、人材育成モデルの二つの転換を実現させた。

一つ目の転換は、就業・従業教育から革新・起業教育への転換だ。イノベーションによって起業をリードし、起業によって就業をもたらすことで、高等教育機関の卒業生がより質の高い起業・就業が実現できるという新局面を生み出した。
 
二つ目の転換は、人材育成の仕組みの転換だ。革新・起業教育によって学科・専門間の壁、産業と学校の壁をなくしたことで、好ましい「壁崩壊効果」が生まれ、様々な学科の融合、学科を超えた学習、学内外の協同が実現した。中国の革新・起業教育は、新時代の大学における資質教育の新たなブレークスルーを実現し、現代の大学生が自己を解き放ち、自分の才能を発揮し、国に奉仕するための新たなプラットフォームを生み出し、世界の革新・起業教育に「中国の経験」を伝えていると言える。

 
2019年10月10日
 
中国教育新闻网:深化高校创新创业教育改革有关情况
 

地域 アジア・オセアニア
中国
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