【ニュース・中国】「双減」以降初の中国大学入試「高考」、国語問題に現れた改革のサインは?専門家が分析(1)

 
6月7日午前、2022年度中国の大学入試「高考」の国語試験が開始される。記者が教育部教育考試院から得た情報によると、同院は今年、全国版甲巻、全国版乙巻、新「高考」I巻、新「高考」II巻の4パターンの国語試験問題を作成した。試験問題は「立徳樹人」(徳育重視の人材育成)の実行を根本任務とし、教育と試験の整合性を強化するとともに、「双減(義務教育における児童・生徒の宿題および塾の負担削減策)」の効果を高めて、適切に教育を誘導するような内容になっている。

 
「2022年の『高考』は『双減』政策発表後最初の『高考』です。試験問題は教育と試験の整合性を考慮して入念に作成されており、『双減』改革の効果を高めようという明確なメッセージが伝わってくるものです」。出題に関わった専門家は、今年の「高考」国語試験問題について、基礎を掘り下げ、課程標準(学習指導要領に相当)を遵守し、教科書との関連性に気を配り、出題形式を一新することを強調していると指摘する。また、これにより、課程標準に基づいた授業の質を高め、学生の「ひたすら問題集を解きまくる」行為を減らして、能力および素養自体を高め、学校教育が果たす重要な役割を強化することで、学生の徳・知・体・美・労の全方位的成長のために良好な環境を醸成するよう学校教育を導く狙いがあると述べる。

 
基礎を掘り下げ、学生の能力および素養を高める

 
根を深く張れば葉が生い茂り、幹がしっかりしていれば枝が四方に伸びる。学習も基礎固めが大切である。以前、習近平総書記は、青年に対し「学習に勤しみ、学習を得意とする」「知識の基礎を固め、前進するエネルギーを蓄える」よう奨励し、青年の学習および成長における基礎の重要性を強調した。新高考I巻の作文問題では、囲碁・将棋の3つの術語「定石、妙手、俗手」の巧みなアナロジーを用いた問題が出題された。

 
「定石、妙手、俗手」は囲碁・将棋の術語だ。「定石(定跡)」とは、昔から研究されてきて最善とされる決まった打ち方(指し方)を、「妙手」とは、通常予想し得ないような意外性の高い優れた手を、「俗手」とは、一見合理的なようでいて、全局を通じて見れば失敗している手を指す。初心者は定石から始めるべきであり、定石が上手く指せるようになったら、実力も向上する。しかし、初心者の中には「妙手」を追求するあまり、より汎用性の高い「定石」を疎かにする者がいる。「定石」は基礎であり、「妙手」は創造だ。一般的に言って、「定石」に対する理解が深まるほど、「妙手」が繰り出される確率は高まる。さもなければ、「俗手」を打ってしまうことを避けられず、レベルもなかなか上がらない。

 
以上の文章は非常に示唆に富んでいる。この文章を踏まえ、感じたことや考えたことを書きなさい。この文章では「定石」について、「昔から研究されてきて最善とされる」「上手く指せるようになったら」「理解が深まる」などと描写されている。その意図は、現役の教師および学生に対し、基礎とは単なる知識の記憶でも、技能の機械的訓練でもなく、基本的な概念とルールを把握してこれに通じることであると示すこと、壮大な目標と才能を磨くこと、確固たる基礎と革新との間の弁証法的関係を明確にすることである。知識の獲得と能力・素養の養成という基本を守り、確固たる基礎を築き、正道を守った後に革新を成し遂げるよう学生を導くことだ。

 
課程標準に則った試験を行うことは、学校教育で教えるべきことを教える

 
出題に関わった専門家によれば、出題内容、範囲、難易度を厳格に課程標準に則って設定することは、学校側に対し、厳格に課程標準に則って教育を行う、教えるべきことを教える、勝手に基準を引き上げたり逆に引き下げたりしない、教える内容を勝手に増やしたり減らしたりしないといったことを指導する役割を果たす。

 
出題の内容および範囲はさまざまなバージョンの課程標準を十分考慮して決定している。各省が用いる課程標準の各種バージョンおよび実際の学校教育の違いに基づき、新「高考」I巻、II巻では、バージョンの異なる課程標準を使用する省を考慮した名文・名句の暗記問題を出題し、試験問題を4種類作成した。新「高考」I巻を例に挙げると、旧版課程標準向けの暗記問題3問は、『荀子・勧学』『詩経・周南・関雎』、そして李白の『蜀道難』を出題した。新版課程標準向けの暗記問題3問は、鮑照の『擬行路難』(その四)、曹操の『短歌行』、李白の『夢遊天姥吟留別』を出題した。

 
難易度は課程標準が要求する学業の質のレベルに適合するよう設定された。題材の選択に際して、現代文では、題材が学生の勉強や生活に馴染みがあるか、古代漢詩文では、平易さの基準と学生の知的レベルに適合しているかを重視した。また、全国版甲巻、乙巻の実用文の読解および新高考I、II巻の情報系の文章読解では、いずれもいくつかの文章を組み合わせた問題が出題されており、「いくつかの文章の情報を比較・総括し、その内容、観点、感情、素材の組合せと使用における違いを発見することができる」という要求に適合している。

 
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