【ニュース・ドイツ】連邦政府の人工知能(AI)1ヵ年戦略

 
1年前の2018年11月15日、ドイツ連邦政府は人工知能戦略を承認し、総合的且つ政治的手法でAIの更なる開発と応用の枠組みを設定した

 
Anja Karliczek連邦教育研究大臣:「私たちの目標は、AIのすべての分野で世界のリーダーになることである。そして、ドイツにおいて、私たちは正しい軌道に乗っている。しかし、もちろん油断してはならず、多くの分野でさらに発展する必要がある。

 
例えば、中小企業はAIがもたらす機会をさらに上手に活かす必要がある。AI研究の継続的強化は、ドイツにおいて成功した総合開発のための基盤である。だからこそ、AI研究のための拠点を拡大し、ネットワークを構築するのである。ドイツでは、世界的に最も優秀な頭脳が必要である。

 
このために、私たちはアレクサンダー・フォン・フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)と共に、国際的に著名な科学者をドイツに惹きつけるプログラムを立ち上げた。AIは人々に利益をもたらすだろう。そのため、研究成果を実践に迅速に移行することも、AI戦略の目的である。」

 
Peter Altmaier連邦経済エネルギー大臣:「AI戦略の1年目に、AIソリューションの経済への移行を大幅に改善するための方針を設定した。全国的に、AIトレーナー制度が中小企業にAIスキルを教授するために立ち上げられた。

 
これにより、企業は独自の革新的な製品とサービスを実装し、競争力を強化し、仕事を確保できるようになる。独立した欧州データインフラストラクチャーに対するイニシアティブにより、将来の最も重要な要素であるデータを安全に利用可能にし、私たちの経済に貢献させたいと考えている。」

 
イノベーション競争「経済に関連するエコシステムの操縦者としての人工知能」において、連邦経済技術省はAIの実用化を促進することを目的としたプラットフォームプロジェクトを推進している。

 
「中小企業デジタル化(„Mittelstand-Digital“)」の優先的資金措置の枠組みにおいて、33人の「AIトレーナー」が6月から選択された8つの中小企業4.0拠点(Mittelstand 4.0-Kompetenzzentren)で業務を開始した。これには更なる追加措置があるだろう。計画されている欧州の独立ネットワーク・データインフラストラクチャー「Gaia-X」の設立も、重要な戦略的基盤である。

 
データの独立性と広範なデータの可能性は、AIの分野におけるデータ駆動型経済の開発を成功させるための重要な要素である。
10月16日にトゥールーズで開催された仏独首脳会議の際に、経済省及び教育研究省の両大臣は、更なるアクションのための「ロードマップ」に署名した。ドイツとスウェーデンのイノベーション・パートナーシップは、欧州のAIエコシステムを促進するために、人工知能のトピックを含むよう拡張された。

 
Hubertus Heil連邦労働社会省大臣:「AIは仕事と社会を大きく変えるだろう。私たちの仕事は、技術の進歩が社会の進歩になることを保証することである。そのため、試験空間の範囲内において、企業でのAI使用を促進している。企業と雇用者が具体的且つ協力的な方法で技術変革を形成した場合にのみ、新しい技術にとって必要な信頼が育つと考えられる。」

 
New Quality of Work Initiative (INQA)の傘下での企業の試験空間のための公募は10月から実行されている。2020年の夏から、仕事業界における人間中心主義のAIアプリケーションをテストするための最も革新的なプロジェクトに資金が提供される。ネットワーキングを促進し、企業レベルでの新しいトレーニングの機会を開発及び提供する、新しい連邦州のフューチャーセンターが現在設立中である:包括的なシンクタンク「Zentrum digitale Arbeit」と、5つの地域のフューチャーセンターは、11月25日のライプチヒでの共同キックオフイベントによって開始される。

 
2020年発にオープンするBMASで建設中のAI観測所の主なタスクは、仕事と社会におけるAIの技術開発、普及、技術影響評価の観察である。2020年にはAI戦略が評価され、必要に応じて現在の開発と需要に適用される。

 
2019年11月15日
 
BMBF: Ein Jahr Strategie Künstliche Intelligenz der Bundesregierung

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
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