【ニュース・タイ】大学、ウイルス抗体検査キットの提供を開始

 
わずか数滴の血液で、15分以内に高精度の結果を得られることが保証されている新しい新型コロナウイルス抗体検査キットが量産され、タイ国各地の
病院や医療機関に提供されていると、開発を担当した研究チームが2021年1月7日に発表した。

 
プリンス・オブ・ソンクラー大学 (PSU)医療技術学部の Theerakamol Pengsakul 氏によれば、このキットは、通常は結果が出るまでに 3-4時間
かかる鼻腔ぬぐい液と同程度に正確な新型コロナウイルス検査結果を出すことができる
という。

 
彼女は大学の研究チームの責任者で、2つの企業と協力して「KBS Covid-19」という新しい検査キットを開発した。

 
チームが約1年かけて開発したこのキットは、2020年末にアメリカ食品医薬品局(FDA)の認証を受けたという。この検査キットは、新型コロナ
ウイルスによる感染症と戦う ために人体内で生産されるIgMとIgGという2種類の抗体を検出することができる。この検査では、1回目の検査から
1週間後に再検査が必要
となる。1回目の検査結果が陽性、陰性であるかにかかわらず、新しい検査キットを使って1回目の検査結果を確認するのである。

 
なぜなら、ウイルスに感染しても、すぐには人体に抗体ができないことがあるためである。

 
また、新型コロナウイルスの抗体を持っていることが判明し、ウイルスの陽性反応が出た人は、治療を受けて病気から回復して間もないか、
新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種して間もない可能性もあるという。

 
Theerakamol Pengsakul 氏によれば、タイ国内の多くの病院や医療機関が500万個以上の新しい検査キットを発注しているという。

 
ケストレル・バイオ・サイエンス(タイ国)社とマスター・ラボズ・インコーポレーション社は、それぞれ本製品の製造と販売を独占的に許可
され、1日に約10万個のキットを供給することができるとのことである。

 


地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 社会貢献
レポート 海外センター