【ニュース・タイ・日本】タイが自動車用ソフトウェア開発の拠点となる未来

「自動車用ソフトウェア開発において、タイがアジア太平洋地域の拠点となる可能性は多いにある。」Toyota Tsusho Nexty Electronics(Thailand)CO.,LTD(NETH)社長兼CEOの大越浩一氏はこう述べた。

 

NETHの主な事業は自動車用ソフトウェアの開発である。同社はタイを拠点に自動車用ソフトウェア開発を行い、開発したソフトを日本へ輸出している。大越氏によるとタイのエンジニアはソフトウェア開発においてアジア太平洋地域の中でも比較的高い技術を持っているということだ。NETHの親会社であるNEXTY Electronics Corporation社長の青木厚氏は、アジア諸国には十分な技術を持ったエンジニアが豊富にいるが、特にタイは過去数年自動車用ソフトウェアの開発に携わっているという点で強みがあると述べている。
青木氏は、ソフトウェアの自動車への利用は今後生産性の向上とともに拡大して行くものの、自動車生産の現場とソフトウェア開発の現場が切り離されていると、どれだけ大きな予算が割り当てられたとしても効率的な自動車用ソフトウェアの開発は困難であるとも考えている。

 

過去15年ほどの期間、日本とタイは協力し、ともに成長を遂げてきたが、これは特にハイブリッド車や電気自動車といった自動車用ソフトウェアを活用する部門で顕著であったということだ。

青木氏によると、日本が現在自動車用ソフトウェア開発の拠点となっているのは、アジア太平洋地域の主要なソフトウェア会社が既存の市場向けにソフトウェア開発していたのに対し、日本の車製造業者は新しい市場を開拓し、所謂「ブルーオーシャン」を作ることに成功し、競合に先駆けて商品を作ることができたからだという。
青木氏は「それに加え、日本人の『Kaizenの精神(継続的に改良・改善を図る精神)』が仕事に活かされている。それが顧客の日本国産車に対する高い満足度に繋がっている。市場が求める商品を作ってきた結果、日本が自動車用ソフトウェア開発の拠点となったことは特段驚くべきことではない。」と続けた。

 

同社Chief Technology Officer(最高技術責任者)の井倉将実氏は、今後タイがアジア太平洋地域において自動車用ソフトウェア開発の拠点となるためのNETHの役割は何かという問いに対し、「当社の業務経験を積ませることで、将来の優秀なエンジニア育成に貢献すること。」と答えた。さらに、「そういった経験は将来タイでエンジニアのプレゼンスを高めることに繋がる。その実現のため、タイの主要大学に埋もれている優秀なエンジニアの発掘に協力は惜しまない。」と付け加えた。
井倉氏は、自動車用ソフトウェアの開発はドライバーと同乗者の生命に直接関わるものだと考えている。小さな誤りが彼らを危険に晒してしまう。それゆえ、より良いものを生み出すためのたゆまぬ努力と高いモチベーションが欠かせないのである。

 

一方、先述の大越氏は欧米や日本で行われている自動運転を実現するための種々の実験についても言及し、「タイでも自動運転が実現できるよう最善を尽くす。それがこの国への貢献になる。」と述べた。

 

4月上旬、NETHは協働する民間企業や政府関係機関とともに第2回目となる自動車用ソフトウェアに関する学生ミーティングを開催し、大学生に自動運転車両を制御するソフトウェア開発のスキルを披露するコンテストが行われた。
このコンテストは来るべき「未来の車」時代へ向け、自動車用ソフトウェアの人材開発を促す目的で開催され、タイ国内の大学から選抜された12のチームが参加した。

今回、優勝はキングモンクット工科大学(King Mongkut’s Institute of Technology:KMIT)ラカバン校(Ladkrabang)のLKB48チーム、準優勝はKMITノースバンコク校(North Bangkok)のDouble Eチームとなった。第3位のKMITトンブリ校(Thonburi)のAntmanチームはグッドデザイン賞も受賞した。

 

2018年5月7日

 

The Nation:Thailand a future hub for auto software

地域 アジア・オセアニア
タイ、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 高技能職業人材の育成