【ニュース・イギリス】英国大学院教育評議会、英国の研究指導調査報告を発表

 
2021年10月8日、英国大学院教育評議会(UKCGE)英国研究監督調査2021(UKRSS)を発表した。この調査は研究指導に関わる全ての者に、
博士課程候補者を監督した経験を共有する機会を提供する。

 
UKCGE は英国で研究指導を行う立場にある者を対象として過去最大の調査を行い、158機関から3425人の回答を得た。またこの調査は Wellcome Trust や UK リサーチ・イノベーション(UKRI) からも支援を受けて実施された。

 
この画期的な研究監督報告書は、研究監督の全体図を以下の7つの項目で構成している。

  1. 採用
  2. 選考と資金調達
  3. 指導の実務
  4. 学生との関係
  5. 開発と支援
  6. 仕事量、研究評価と授与
  7. 意欲と挑戦
  8. Covid-19の影響

UKRSS は英国での大学院の研究監督や研究監督に関わっている人々について述べている。圧倒的多数(91%)は研究指導を楽しんでおり、93%が
研究指導に関わることに価値を見出している。主な動機として(72%)は「次世代の研究者を助け、関与し、励まし、育成」できると答えている。
ある回答者は「学術的な環境の中においてもっとも有意義で、楽しい関係である」と答えている。

 
英国では人を中心とした指導を標準としており、多くの回答(73%)は「プロジェクトを指導するのではなく人を指導する。」という意見に合意
している。79%はパストラルケア(羊飼いが羊を世話するように人々をケアするというところから来たもので、心のケアのこと。)を提供すること
が研究指導の核心であると認めている。

 
71%は優れた指導を行い、問題がある場合その対処を行った、と答えている。しかし52%は所属機関によって研究指導が評価されていると感じて
いると回答している。

 
近年はチームによる指導が標準となっており、70%は「頻繁に」もしくは「いつも」過去5年間の間にチームの一部として研究指導に関わっており、
65%はチーム指導が博士課程の学生に良い経験を提供できるということに同意している。

 
65%と多くの者がCovid-19の影響にある期間、自身の指導責任が増加したと感じていると答えている。33%の者のみが、博士課程の学生を指導し
ながら自身のメンタルヘルスや身体の健全さを管理することに困難を感じないと答えている。ある回答では「特に Covid-19 の間、指導する立場は、
孤独であり、孤立していた。」と答えている。

 
活気のある研究環境を作るためには学生の役割も重要であると認めており、82%は研究指導が自身の研究の向上に繋がることに同意している。さらに、
75%は博士課程の学生の多様性が増すことで自身の所属機関の研究文化が向上すると答えている。


「UK Research Supervision Survey Repot 2021」: UKRSS Executive Summary


地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
人材育成 若手研究者育成
研究支援 研究助成・ファンディング