【ニュース・イギリス】英国のホライズン・ヨーロッパ資金獲得者の不安を取り除く

 
2022年1月22日、Research Professional News は UK リサーチ・イノベーション(UKRI)欧州研究会議(ERC)によるプログラム、ホライズン・ヨーロッパの第1回の資金獲得者となった英国を拠点としている研究者に対して、その資金が保証されていることを再度示したことを伝えた。

 
現在 ERC から英国への資金提供が不透明な状態のため、資金獲得資格を持つ英国拠点の研究者は英国から離れようとしており、その対処として UKRI が動き始めた。

 
Research Professional News は英国を拠点としている ERC の Starting Grant の採用者の多くに海外移転に関して有利なオファーがあったことを明らかにしており、その後 UKRI 国際担当部長の Christopher Smith 教授が仲裁を開始した。

 
現在進行中である政治的な闘争で、995億ユーロのホライズン・ヨーロッパへの英国の参加の承認が遅れており、まだ署名がされていない。そのため英国拠点の研究者は資金を受け取れない状態である。

 
これまでに英国政府は、もし EU からの資金提供を行うために必要な期日までに英国と EU の合意ができなかった場合、第1回のホライズン・ヨーロッパの資金獲得資格のあるものに対しては、資金を提供することを伝えている。

 
しかし英国の資金獲得資格のある研究者は、UKRI が管理するその代替資金は高い評判も伴う ERC の資金に比べて評価が低く、欧州の研究者との関係にも影響が出る恐れがあると懸念を訴えている。

 
Smith 教授は Research Professional New に宛てた書簡の中で、英国の資金獲得資格のある研究者が海外に移住する理由はなく、研究者にはホライズン・ヨーロッパの参加国が確定する前に資金が配られる、と述べている。

 
「ホライズン・ヨーロッパの第1回の募集で資金提供を受けることになったすべての研究者は、保証された資金が受けられる。この保証の詳細や条件や利用方法のガイダンスは UKRI のウエブサイトで公開されている。」

 
また Research Professional News のインタビューを受けた研究者の懸念は理解できるものとして、「資金獲得資格のある研究者が英国の受け入れ機関で資金を受け取り、計画した研究を行い、ヨーロッパのネットワークとの提携を継続することを保証することができたことは喜ばしい。この大変名誉あるファンドを勝ち取った研究者たちを祝福するとともに、彼らが英国で行う研究の成果が出ることを期待している。英国は研究において卓越し、世界のリーダーとしてあり続け、若手の研究者の可能性を最大に引き出すサポートを行う。」と述べた。

 


Research Professional News: UKRI seeks to reassure worried ERC winners in UK


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