【ニュース・アメリカ】大学教員の論文発表数と学術引用件数、所属大学の研究環境が影響

 
コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)コンピュータ科学ポスドク研究員のサミュエル・ウェイ(Samuel Way)氏らは、コンピュータ科学分野の研究者の生産性(発表論文数)及び卓越性(学術引用件数)を、①研究者としての訓練を受けた大学と、②教員として採用された大学、という異なる学術環境に基づいて検証した研究論文「生産性、卓越性、及び、学術環境による影響(Productivity, prominence, and the effects of academic environment)」を米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)で発表した。
 
ウェイ氏らは、コンピュータ科学専攻博士課程205コースに所属するテニュア教員2,453人について、大学教員として採用される直前の5年間と直後の5年間に関し、当該研究者の生産性及び卓越性を、訓練環境と大学教員としての研究環境で比較・検証した。
 
主な結果は以下の通り。

  • 卓越性(学術引用件数)に関しては、著名大学博士課程修了者が、継続して高い学術引用件数を維持する傾向。しかし、大学教員就任後の最初の5年間に発表する論文数がより多くなるという傾向は見られず。
  • 大学教員として採用された大学がより著名な大学であった研究者は、採用直後の5年間で発表する論文数が、そうでない研究者と比較すると5.1本多く、学術引用件数も約40件多い。
  • 大学ランキング上位20%にランクされる大学に所属する教授は、下位20%にランクされる大学に所属する教授と比較して、教員就任直後5年間の論文発表数で平均17本上回り、学術引用件数で平均824件上回る。
  • コンピュータ科学分野に限らず、他分野においても類似した傾向が見られる。

 
2019年5月2日
 
Inside Higher ED:Pedigree and Productivity

 

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