【国際協力員レポート・ドイツ】海外拠点の状況調査と今後の展望

2000年代に入り、世界的な人材獲得競争が激化し、日本の国際競争力を高めるため、多くの日本の大学では、国際化への動きが活発になった。2009年には、国際的に活躍できる人材の養成を実現することを目的とする文部科学省による国際化拠点整備事業(グローバル30)が実施され、大学の国際化を支援する動きが加速していった。その後も、「スーパーグローバル大学」、「海外進出・ネットワーク形成支援事業」など、大学の国際化を後押しする支援策も増加している。大学も国際化という大きな波に乗る形で、大学個々の対策を打ち出してきた。そのような国際化への動きの中で、大学が海外拠点を持つという方法は、国際化を実現させていくうえで、役割は非常に大きいと考えられる。
ボン研究連絡センターでの一年間の業務研修を通して、JANET(Japan Academic Network in Europe)に関連する多くの業務に携わらせていただいた。JANETとは、欧州に海外拠点を持つ日本の大学や学術機関(拠点を持っていなくても将来的に持つかもしれない機関であっても参加可能である)による集まりであり、ドイツをはじめとする欧州において、国際学術情報の共有を図り、日本の大学のプレゼンス向上のために組織された。JANETは、日本の学術機関拠点間の緩やかな連携ネットワークであり、2016年度より、日本の大学や学術機関の国際展開の促進を目的として、ドイツまたは周辺地域で合同行事を開催している。ボン研究連絡センターは、JANETの設立に関わり、2016年に開かれたベルリンでの第1回JANET-FORUM、2017年11月下旬に開かれた第2回JANET-FORUM開催に携わり、私自身もJANET事務局としての業務に、運営側の一員として2017年度の第2回JANET-FORUMの開催に関わることができた。11月にドイツ・フライブルクで行われた第2回JANET-FORUMの後に、フランス・アルザスにて、主に海外拠点で実務を担当している教職員を対象として、海外拠点についての活動をテーマとした初めてのワークショップが開催され、海外拠点の抱える問題点や今後の展開について議論された。
海外拠点の運営方法について考えるうえで、海外拠点の構成やその数の推移を調べ、ドイツの大学の海外拠点に対する考えと比較考察し、海外拠点が現在抱えている問題点と今後の展望を本稿で取り扱う。その際に、研修期間中に複数のドイツの大学に対して行ったインタビューや、実際に参加したJANETのワークショップや事前調査で話し合われた内容を個人的にまとめたものをもとに、海外拠点について考察していきたい。
なお、報告書全文はこちらから閲覧可能。
【氏名】 切畑 友希
【所属】 大阪大学
【派遣年度】 2017年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ボン研究連絡センター

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事
国際交流 国際化
レポート 国際協力員