【国際協力員レポート・ドイツ】日独の高等教育と大学の研究環境の比較-特に若手研究者の研究環境に着目して-

【概要】
ドイツの高等教育制度と聞いて、何を連想するであろうか?
日本は、明治時代に大学制度を導入するにあたって、ドイツのモデルを採択し、1886年に帝国大学と各種高等専門学校を設置した。一方、私立大学については、禁止策を取らず大きな発展を遂げた。
そして戦後は一転して、主にアメリカの高等教育制度を取り入れることとなった 。こういった歴史的な経緯からか、現在の日本とドイツの高等教育制度にはかなりの相違があるのにも関わらず、根幹となる価値観、エートスを共有している部分が多々あり、また、共通の課題を抱えているように思われる。
本報告書では、日本とドイツの高等教育制度の相違点及び類似点に着目して、大学の研究環境、特に若手研究者の研究環境及び処遇について調べていきたい。
私が若手研究者に着目するのは、昨今、ポスドクなどの若手研究者の処遇、就職難が社会問題化しているからである。一方、大学の研究環境の整備の問題は、若手特有のものと若手に限らないものが複雑に入り組んでいるため、若手研究者の問題を常に念頭に置きながら、もう少し広い視点で話を進めたい。
本報告書では、まず、第2章でドイツの高等教育制度の概観について説明し、第3章で日独の若手研究者を取り巻く環境について説明することとしたい。第4章では、私がドイツの機関で行ったインタビュー結果を取り上げ、前章までの内容について、実地を通した厚みを加えることができればと思う。

なお、報告書全文はこちら(PDF)から閲覧可能。

【氏名】 前小屋 治
【所属】 東北大学
【派遣年度】 2014年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ボン研究連絡センター

地域 EU、アジア・オセアニア
ドイツ、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事
大学・研究機関の基本的役割 質の保証、教育
人材育成 若手研究者育成、研究者の雇用
レポート 国際協力員