【国際協力員レポート・スウェーデン】ダブル・ディグリー・プログラム活発化に向けたスウェーデンの高等教育機関の活動状況

【概要】
ダブル・ディグリーやジョイント・ディグリー 等、学生が同時期に二つの大学の学位プログラムを履修し、修了時に複数の学位を得るプログラムが現在世界で注目されている。これらのプログラムは、それぞれの大学の学位プログラムを履修するよりも短い期間に、両方の学位を取得することが期待できるという学生にとってのメリットだけでなく、各大学の知名度の上昇、提携校との研究協力体制の強化等、大学の国際競争力の強化につながるメリットを併せ持っており、日本においても、現在、学士、修士、博士、専門職学位の各課程において、人文社会系(法学、公共政策等)と理工系(工学、理学等)の分野に関し、ダブル・ディグリー・プログラムが実施されている 。平成22年には、文部科学省の中央教育審議会大学分科会大学教育の検討に関する作業部会大学グローバル化検討ワーキンググループにより、「我が国の大学と外国の大学間におけるダブル・ディグリー等、組織的・継続的な教育連携関係の構築に関するガイドライン」が公表されている。また、文部科学省による、大学における教育内容等の改革状況(平成24年度)によると、国外大学等との交流協定に基づくダブル・ディグリーを行う大学数は、平成21年は93 大学(全体の12.4%)だったのに対し、平成24年には140 大学(全体の18.3%)に増加している とのことである。このことから、日本の大学において、ダブル・ディグリー・プログラムに対する取組が始まりつつあることがわかる。
筆者が研修を受けたスウェーデンにおいても、48の高等教育機関(Higher education institutions (HEIs) )のうち、10以上の機関が海外の大学とダブル・ディグリーやジョイント・ディグリーに関する協定を締結しており、その中にはコンソーシアムやコミュニティーに所属しながら同プログラムの活発化を図っている機関も存在する。(当センターの活動中に出会った現地の高等教育機関の関係者との間で何度か話題になったことをきっかけに、各機関のウェブサイトを閲覧し、この情報に結びついた。)
このように、日本と同様にダブル・ディグリー・プログラムに向けた取組を始動しているスウェーデンの高等教育機関の活動内容を調査することは、日本における同プログラムの促進方法を考察するにあたり有益であると考えられる。
本報告書においては、ダブル・ディグリー(以下DD)プログラムの活発化にむけたスウェーデンの高等教育機関の活動内容を調査し、日本国内の大学と海外の大学とのDDプログラムを促進するためには何が必要か考察する。

なお、報告書全文はこちら(PDF)から閲覧可能。

【氏名】 工藤 奈津実
【所属】 北海道大学
【派遣年度】 2014年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ストックホルム研究連絡センター

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
国際交流 国際化、学生交流、研究者交流
レポート 国際協力員