【国際協力員レポート・スウェーデン】スウェーデンにおけるリカレント教育の取組み

急速な社会の変化により、大学を卒業し、社会に出た後であっても学び続ける必要性は近年益々高まっている。社会人の学び直しに対する需要の調査 によれば89%の人が、再教育を「受けたい」もしくは「興味がある」と回答があり、再教育で利用したい教育機関として「大学院」、「大学(学部)」と回答したものが半数以上を占める。
OECDの報告 によれば「成人学習は世代間の学習格差を縮小し、成人が職業生活や私生活を充実させる知識や技能を獲得し発展させる一助となり得る。」としている。しかし、同報告では、日本では成人した者が働き始めた後に正規の教育機関に戻ることが稀であることも示されている。実際に、生涯学習率は先進国では最低レベル とされる。その一例として、日本での社会人学生数を挙げると、平成26年度は約1.8万人であった。同年の大学生数が約280万人であったことを考えるとその割合は1パーセントにも満たない。
一方、スウェーデンでは日本と状況が異なる。教育にかかる費用の個人負担がないことや、成人教育機関・制度が発達し、生涯学習を可能にするシステムが日本に比べ整っている。現実としてどこまで容易かの問題はあるにせよ、例えば、フルタイムの職を離れて数年を学生として生活することも可能な仕組みが整っている。本報告では、筆者が滞在中に調べたスウェーデンの教育体系、リカレント教育や生涯学習・成人教育にかかるこれまでの取組みの概要を紹介し、考察を述べる。
なお、報告書全文はこちらから閲覧可能。

【氏名】 中兼 優介
【所属】 横浜国立大学
【派遣年度】 2016年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ストックホルム研究連絡センター

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の多様性、高技能職業人材の育成
レポート 国際協力員