【国際協力員レポート・アメリカ】米国の大学における留学生受入の現状と課題

【概要】

米国は現在、世界最大の留学生受け入れ国であり、世界中の国・地域から来た学生が米国の大学で勉学・研究に従事している。これは米国の大学が学術・研究の世界で占めている絶対的な地位によるところが大きいが、一方で各大学による戦略的な広報活動、留学生のリクルーティング、さらには受け入れた留学生の学生生活に対する支援など、留学生受入に関する先進的な取り組みが寄与するところも少なくないと思われる。

一方で一部新興国の経済発展に伴い、これまで米国の独り勝ちであった留学生市場にも変化が生じつつある。経済協力開発機構(OECD)による2013年の調査報告によれば、全世界の留学生総数に占める米国への留学生数の割合は、2000年に22-23%だったものが2011年には15%前後まで下がってきており、未だに受入総数の首位ではあるものの、その相対的な優位は揺らぎつつあるとみることもできる。また、英国文化協会が各国の留学生支援政策を評価したランキングでは、米国に対する評価は第6位に止まっているとの報告もある。そうした意味で、世界最大の留学生受入国である米国は、留学生受入に関する課題先進国であると考えることもできよう。

筆者の本務校でも、現在留学生500人の受け入れを目指して、広報活動や生活支援などの拡充を行っている。留学生受入に関し豊富な経験を蓄積し、先進的な取組事例を多数有する米国大学の留学生受入の現状と課題を知ることは、本務校に復帰して再び留学生支援関係の業務に携わることを希望する筆者にとって、大きな財産となるであろう。

以上のような課題意識に基づき、筆者は米国の大学における留学生受入の現状とその課題について、現地での具体的な事例調査を通じ、その一端を明らかにしたいと考えている。

なお、報告書全文はこちらから閲覧可能。

【氏名】 榎並 岳史
【所属】 新潟大学
【派遣年度】 2015年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ワシントン研究連絡センター

地域 アジア・オセアニア、北米、その他
アメリカ、中国、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究、質の保証
国際交流 国際化、学生交流
学生の経済的支援 学生向け奨学金
人材育成 入試・学生募集
統計、データ 統計・データ
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