【概要】
輸送・情報通信技術の発展により人的・文化的交流が増加し、急速にグローバル化が進む昨今では、異なる文化・価値観への適応力・対応力等の国際的素養をもった高度人材の確保、育成の必要性が高まっている。このような人材を育成する上で、主体性や実行力、チャレンジ精神といった素養を培うため、慣れ親しんだ環境から離れ、文化や歴史の異なる国で自立して学習、生活する海外留学は効果的な方法の一つである。
こうした状況の中、政府は日本再興戦略や第二期教育振興基本計画(2013年6月14日閣議決定)において、2020年までに日本人留学生を6万人から12万人に倍増することを掲げている。これに向け、関係府省庁が施策を一体的かつ戦略的に策定して将来を担う若者への留学機会の拡大を目指しており、2014年からは留学を希望する生徒・学生本人のみでなく、保護者や教職員等も含めた海外留学への機運醸成の取組として、文部科学省主導による官民協働海外留学促進キャンペーン「トビタテ!留学 JAPAN」も開始されるなど、日本における海外留学促進の動きは盛り上がりを見せている。
本稿は、筆者が日本学術振興会の国際学術交流研修として一年間滞在したアメリカにおける学生の海外派遣留学動向に関し、政府及び教育関係機関が実施する施策の概要、最新データ並びに国際教育に携わる関係者へのインタビューを通して調査し、その取り組みや共通する課題を学ぶことを目的とするものである。
なお、報告書全文はこちらから閲覧可能。
【氏名】 福井 かおり
【所属】 東北大学
【派遣年度】 2015年度
【派遣先海外研究連絡センター】 ワシントン研究連絡センター