【ニュース・東アフリカ】世界各地で大学入学者数の増加が政府財政を圧迫―UNESCO

東アフリカのメディアはこれまでに、この地域の高等教育機関が労働市場で求められる適切な人材を育成していないという指摘を繰り返してきた。しかしながら、国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization:UNESCO)が新たに発表したある報告書は、この主張が誤っていることを示している。報告書によると、問題の核心は毎年多数生み出される大学卒業者を受け入れることのできない、市場規模の小ささのほうにある。

 

「高等教育における世界的な方向性の分析」と題されたUNESCOの最新のグローバル・モニタリング・レポート(Global Education Monitoring:GEM)によると、2000年の時点で2億700万人であった世界的な大学卒業者数は、2014年には4億1,400万人へと倍増している。高等教育に対する需要の急速な高まりを受けて、政府と国家経済は対処を迫られている。その結果、より多くの学生が授業料を支払うことができずに大学で学ぶ機会を失っている。

 

この報告書では高等教育の費用問題だけではなく、学生の卒業後の進路の問題も指摘されている。それによると、先進国では高等教育が急速に普及しており、発展途上国では若者のうち平均8%しか大学で教育を受けていないのに対して、富裕国におけるこの数字は74%に上る。また、発展途上国ではジェンダー格差の問題も深刻である。低所得国では2014年の時点で、学士号取得者に占める女性の割合は30%に過ぎない。

 

各国の政府は高等教育へのアクセスの拡大に努めているものの、卒業者の雇用機会を用意できていない。この報告書は以下のように結論付けている。「割り当て制度や報奨金制度などのアファーマティブ・アクションは、たとえそれらが議論を呼ぶ手段であったとしても、大学卒業者の雇用機会を拡大するためには導入する必要があるのかもしれない。」

 

2017年6月5日

 

The Observer:Global university enrolments overwhelm govts-UNESCO

地域 中東・アフリカ
ケニア、その他の国・地域
取組レベル 国際機関レベルの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
学生の経済的支援 学費
人材育成 学生の就職