【ニュース・ミャンマー】ミャンマーの学生はキャンパスで政治的自由を獲得

ヤンゴン大学大学院には、ミャンマーの厳格な軍事政権の支配の下では考えられなかった政治科学のディプロマコースで学んでいる学生がいる。彼らは、今年後半にミャンマーで数十年ぶりに行われる選挙における何百万人の選挙人のうちの一人になる。

ミャンマーの大きな転換に対し賞賛の声と外国資本の流入が起こった反面、核となる改革が後退していくことを懸念する声もある。今月初め、学生主導の教育改革を求めるデモを警察が暴力で鎮圧し、少なくとも130名の学生が逮捕され、国際社会の激しい糾弾を受けた。

ヤンゴン大学はかつてアジアのトップ大学の一つであったものの、過去20年間の大部分が軍事政権によって閉鎖され、植民地時代に建てられた校舎は草むらに覆われていた。大学は軍部の支配のもと硬化した教育システムを見直すため、2013年後半に再開された。

政治科学のディプロマコースを実施している国際関係学部長のChaw Chaw Sein教授は、今や学生は世界各国の政策についてだけでなく、ミャンマーにおける政治体制の変化と政治について語り、議論することができると述べた。

教授は、国際社会は、ミャンマーの政治は半民主主義であり、半市民政府であると批判しているが、我々はソ連崩壊の実例から学ばなくてはならない。ミャンマーの政治的背景を考慮すると、段階的な改革がより望ましい、と述べた。

しかし、多くの若者はもっと迅速な変化を求めている。ビルマ学生連合に所属する学生は、2014年に施行された教育法は学問の自由を阻害しており、義務教育を10代前半までとすることや、組合を組織する自由、少数言語での教育の自由などを認めるよう改善が必要と考えている。その後逮捕された、ビルマ学生連合のリーダーであるMin Thawe Thitは次のように述べた。
“我々が求めているのは政府から独立した自治大学であり、トップダウンの方針ではなくボトムアップの決定である。”

オーストラリア国立大学のミャンマーの専門家であるNicholas Farrelly氏は、次のように述べた。
“ミャンマー社会における非常に重要で急激な過渡期において、学生の抗議活動が実を結んだ。しかし、現在の学生は先駆者である88年世代と比べると政治的に無垢であり、必ずしもミャンマーの暗黒時代の実態を理解していない。
しかし、いずれの世代も暗黒時代に逆戻りすることは望んでない。“

(2015年3月24日 National紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
国際交流 国際化
人材育成 学生の多様性、若手研究者育成