【ニュース・フランス】G5健康会議:Frédérique Vidal大臣演説

2017年10月24日のG5健康会議での演説。

 

高等教育・研究・イノベーション省(MESRI:Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation)は3つの活動分野が同じ使命を帯びてひとつの省の下に結集している。政府は企業の競争力を第一の目標においており、これはまず、学術/産業界のパートナーシップと企業内での研究開発を通じて達成された。

 

ヘルスケア産業はフランスにとって非常に高い付加価値を与えるセクターで、フランス貿易収支で第3位にランクされ、売上高は545億ユーロに達しており、その内の48%は輸出向けである。この活動分野で、G5の8つの企業(Bio Mérieux, Guerbet, Ipsen, L.F.B., Pierre Fabre, Sanofi, Servier, Laboratoires Théa)は、フランスのイノベーション能力とその競争力にとって重要な資産である。
それらは国際開発のプラットフォームとしてフランスを選択し、フランスでの研究活動を優先させたからである。年間投資額は63億ユーロ以上で、売上高の約15%にあたり、業界平均を約5ポイント上回っている。

 

この成功は、まずこの活動分野が、われわれの社会と社会変化とに関連する場所に関連したあらゆる根本的な理由がある。健康はわれわれ市民の優先事項のひとつであり、医薬品を含む健康製品は平均寿命と健康寿命に貢献している。健康製品業界はエイズを生命に関わる致命的な病気から慢性疾患に変え、がん死亡率を減らすための公的政策と予防に寄与している。また、予防接種という集団サービスにおいて、もっとも強力な予防戦略の開発をしたのも健康産業である。みなさんが行っているビジネスが社会に対してもつ重要性は、成功に導く明らかな要因のひとつであるが、常に認識されるとは限らないということは心に留めておく必要がある。みなさんの活動の場で、イノベーションの場は常に重要であった。しかし、今世紀初頭から、このイノベーションは本当に破壊的なものへと変化してきた。活動分野はもはやファイン・ケミストリー、医薬品化学、生化学を中心としたものではなく、生物学、バイオテクノロジー、数値モデリングへと移っている。

 

経済活動におて主要分野の変革と市民の興味の中心は、いつも国家との絶え間ない対話と国家への重要な投資によって支えられてきた。国家と保健産業間の戦略的対話が行われてきたのは2013年以来、間違いなく、全国産業協議会の枠組みの中に設立された産業と保健技術部門の戦略委員会であった。この常設機関は、保健産業と技術を代表する組合との間に結ばれた契約に基づいて、また、MESRIを含む4つの省庁との間で、絶え間なく建設的な意見交換を可能としている。
この定期的な対話は、首相が率いる保健産業の戦略会議が策定した中長期戦略ビジョンによって支えられている。これらの2つのインスタンスはうまく機能しており、2018年には、新しいセクター契約の締結と新医療産業戦略会議(Conseil stratégique des industries de santé:CSIS)で新たな転換期を迎える。みなさんのセクターと国家との協力がこの分野全体の発展のため、全員で共有するロードマップを再び産み出すことを信じている。

 

みなさんにとって、MESRIが提供するサービスは、このロードマップに沿って展開するにあたり、専門知識を提供するだろう。生物学と健康に関する研究への国家の投資は、未来への投資プログラム(Programme d’Investissements d’Avenir:PIA)で20億ユーロと大幅に増加している。
これらの投資によって、大学病院やIRT(Instittut de Recherche Technique:技術研究所)の Bioasterのような産業とプロジェクトを共有することが可能となった。大学病院研究所プロジェクト募集はその第4弾が間もなく開始されるが、大規模かつ高速に移転の可能性を秘める産業と共同実施されるプロジェクトに重点を置くことになっており、総額6億8,000万ユーロを24のプロジェクトに割当て、1億8,500万ユーロ以上の国家投資を行う。

 

学術研究と産業研究との間の対話構造はみなさんのイニシアチブである ARIIS(alliance pour la recherche et l’innovation des industries de santé:研究と健康産業イノベーション・アライアンス)によって促進された。それはわれわれのアライアンス、Aviesanとちょうど同じである。ARIIS/Aviesanの協力はまるで単一のエージェントのように非常に重要な進歩をもたらした。まずは、引き続き、共同研究開発の努力を継続して欲しい。フランスは国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)の3%の研究開発費を達成することを目標に掲げており、それには全員の貢献が必要である。

 

2017年10月25日

 

Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation:Réunion du G5 Santé:discours de Frédérique Vidal

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