【ニュース・フランス】2016年度新学期:学生生活改善のために、政府は2012年以来で最大の努力

大学の新年度を迎えるにあたり、 Najat Vallaud-Belkacem国民教育・高等教育・研究大臣は共和国大統領の公約通り、学生の生活条件を改善するための政府の方策について述べた。

 

学生にとって物価のインフレは弱いというのが2016年新学期

 

直近12ヶ月の消費者物価指数はINSEEによれば、すべての世帯について0.2%である。学生にとってもっとも大きな支出項目のうち、家賃はこの1年間で、緩やかな上昇(0.9%)で、光熱費は大きく下がり(-3.3%)、食料品の価格上昇は非常にわずかであった(0.1%)。健康増進のための費用は下がり(-2.7%)、公共交通費は相当下がった(-2.1%)。したがって、家賃、あるいは自家用車による移動は家計全体にのしかかるものの、学生がこの新学期に感じるインフレは一般家庭のそれに近いものとなる。

 

学生の生活条件改善のための政府の長期計画

 

2012年以来、学生生活のために5億ユーロ以上が投入されてきた。これは2007年から2012年までに比べて、40%増である。
2013年、2014年に行われた、社会的な判定基準による奨学金制度の野心的な改革により、新たに2等級が生まれた。すなわち、等級0bis(この等級により、すでに中産階級の174,600人の学生が恩恵に預かり、これまでは等級0として、年間1,000ユーロの給費を受給していた奨学生)と等級7(もっとも経済的に恵まれない階層に属する43,000人の学生に対するもので、これまでは等級6として年間5,500ユーロの奨学金を受給していた奨学生で、今回年間800ユーロが増額された)。並行して、明らかに自立して生活している学生向けに、新たに年間2,000人の奨学生枠が設けられた。2012年以来、奨学生の数は5.4%伸び、奨学金を受給している割合は学生全体の35%に達する。
この奨学金の改革は、2016年新学期も続けられる。すなわち、これまで等級0として大学登録料と健康保険料の免除だけしか受けることができないはずの25,000人の学生が、新学期からは等級0bisとして、年間1,009ユーロの奨学金も受け取ることができるようになる。
奨学生の購買力を維持するために、奨学金の額は2012年以来、インフレに連動している。2016年、2015年新学期には+0.1%、2014年では+0.7%、2013年では+0.8%の増額であった。

 

社会階層別の奨学金(2016~2017年) 単位:ユーロ

等級 年間10ヶ月の受給総額 大学長期休暇中も給費を受ける学生の年間受給額
等級0 登録料、学生健康保険料免除(教育法R.719-49)
等級0bis 1,009 1,211
等級1 1,669 2,003
等級2 2,513 3,016
等級3 3,218 3,862
等級4 3,924 4,709
等級5 4,505 5,406
等級6 4,778 5,734
等級7 5,551 6,661

※海外領土県の学生など、親元に帰るのが困難な学生の場合

 

すべての学生の購買力を維持するために、閣僚はまた、この2年、連続して非奨学生が納める登録料を凍結した。リサンスでは184ユーロ、マスターでは256ユーロ、そしてドクトラでは391ユーロ、また、アンジェニュール免状取得には610ユーロとなっている。今回の新学期で初めて、政府は大学食堂の食券を値上げせず、3.25ユーロに据え置くことを決めた。同様に2016~2017年の学生健康保険料を従来と同じく215ユーロに据え置く。
これらの強力で、かつて行ったことがない方策により、政府はすべての学生が購買力を維持し、生活条件を改善できると考えている。また、2016年1月1日以降、学業の傍ら働いている約100,000人の勤労学生には、収入を補完するために、少なくとも0.8最低賃金(Smic)相当額(手取り月額900ユーロに相当)を謝金として補助する。

 

学生宿舎、政府の優先行動

 

学生の支出で一番大きな部分を占めるのは宿舎である。学生向け社会住宅20,722戸が2013年から2015年の間に建設され、2017年末までに、新たに40,000戸の建設が予定されている。このように学生向け宿舎建設のピッチは上がっている。2013年以来、年平均で6,700戸が建設されてきたが、その内、3,800戸はCROUSに管理委託をしている。一方、2004年から2012年まで、毎年、CROUSに委託していた数は2,500戸であった。仲介手数料はALUR法によって15ユーロ/平米までと定められているが、場合によってはその額は、家賃1ヶ月に相当することもある。

 

2016年8月17日

 

Enseignement supérieur et Recherche:Rentrée 2016 : le Gouvernement poursuit l’effort sans précédent engagé depuis 2012 pour l’amélioration des conditions de vie des étudiants

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