【ニュース・フランス】樹種のわずか1%がアマゾンの半分の炭素を貯蔵する

アマゾンの熱帯雨林に生息する樹木、16,000種のうち、200種足らず(ほぼ1%)が、すべての木の成長と炭素貯蔵の半分に貢献している。これは、フランス国立農学研究所(Institut national de la recherche agronomique:INRA)、フランス国立科学研究センター(Centre national de la recherche scientifique:CNRS)、フランス国際農業開発研究センター(CIRAD)を含むラテンアメリカとヨーロッパの研究者のネットワークであるRAINFORによってコーディネートされる作業で明らかになった。この成果はNature Communicationsオンライン版に発表される。この発見は科学者たちが、気候変動との関連で熱帯雨林の挙動を予測するのに役立つだろう。アマゾンほどの巨大で多様性に富んだ生態系では、炭素循環を理解するのは非常にむずかしい。光合成によって、樹木はCO2と光と水から糖を生成し、樹木の中には、それを木として貯蔵する。アマゾンの熱帯雨林は、地球温暖化の影響を制限するのに役立ち、大気中の炭素吸収源としての役割を果たしている。
アマゾンの熱帯森林の監視にあたっているRAINFORの科学者達は、アマゾン領域全体に分散した500以上の観測点からデータを収集した。すなわち、3,600種、200,000本の樹木のデータを分析した。この研究の目的は特定のわずかな種が極度に支配的であるかどうか、また、これらの種が生態系のメカニズム、とりわけ炭素貯蔵のメカニズムに極度に貢献しているということと同義かどうかを確認することであった。調査結果から、炭素貯蔵とバイオマス生成は少数の種に依存していることが明らかとなった。つまり、わずか1%の種がすべての樹木の成長とアマゾン全体の炭素貯蔵の半分を担っている。たとえば、Bertholletia excelsaは、ブラジルウォールナットの木として知られているが、この木はアマゾンの1,000本の木に対して1本にも満たない割合ながら、炭素貯蔵の面から見ると3番目にランクされ、森林の成長の点からは4番目に位置している。
【RAINFORとは】 RAINFORネットワーク(www.rainfor.org)は技術者、科学者数百人からなるグループで、地上からアマゾンの森林生態系を監視し、樹木の生長と保存について調査している。世界でもっとも活発な二酸化炭素の交換システムの挙動を長期にわたり、評価することを任務としている。この調査には15ヶ国57の研究機関が参加している。

URL1: http://www2.cnrs.fr/presse/communique/4019.htm
URL2: http://www2.cnrs.fr/presse/communique/fichier/cp_amazonie_naturecom.pdf

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