【ニュース・フランス】小惑星:リスクと対応策の認識

1908年ロシアのTougouska地方で起きた有名な惑星衝突記念日である6月30日に、国連にも認められた第1回小惑星に関する国際会議が開催された。地球の近くを通過する小惑星の90%は捕捉されており、その監視と運動の分析は近年、長足の進歩を遂げた。

 

この記念日は現在あまりにわずかな機会にしか、小惑星のリスクについて議論することがない一般市民に関心をもってもらうことをめざしている。これらの小惑星の存在とその運動の大半は現在絶えず確認されているが、未知の小惑星が地球の脅威となった場合、どのような対処をすればいいかを一般市民に知らせることも今回の目的のひとつである。

 

PHA(Potentiallly Hazardous Asteroids:潜在的危険性のある小惑星)は、宇宙探査機関と研究者が可能な限り網羅的に調査を行う対象である。地球を取り巻く宇宙環境のよりよい理解以外に、小惑星がもし地球との衝突のリスクが認められた場合、それを破壊するか、あるいは回避させるための手段を前もって用意することにある。現在、2つの小惑星自動監視システムが稼働している。ひとつは米国パサデナにあるSentry、もうひとつはイタリアのピサにあるNEODySである。
潜在的な衝突回避以外にも、小惑星監視ミッションはしばしば探査というミッションももっている。そして小惑星をより深く観察することでこれまで未知だったことが明らかになる。小惑星と彗星は地球を含む多くのことに関する知見を私たちにもたらしている。たとえば、これらの化学組成は時を経てもほとんど変わらず、その研究によって太陽系、そして地球の起源に関するさまざまな情報をもたらす。たとえば、Rosettaミッションによって、地球大気の20%は彗星由来であるということが明らかになった。

 

欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)とアメリカ航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)は小惑星衝突ミッションを準備

このミッションは計画段階であるが、ソユーズロケットを使って、“Didymoon”と呼ばれる直径170mの「月」との衝突を起こすことを目的としている。このDidymoon自体、直径800mの“Didymos”と呼ばれる小惑星の「月」である。ただし、衝突前にはDidymoonの表面をスキャンし、内部構造を調べる。秒速6kmで衝突するようプログラムされ、多くのデータ収集が期待されている。2020年10月に打ち上げが予定されており、この等寸大の実験は2022年暮れに行われ、この衝突の結果を測定し、また、小惑星の軌道がどのようにずれるかを知ることができる。

 

2017年6月30日

 

Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation:Astéroïdes:sensibiliser aux risques et aux solutions

地域 西欧、北米
アメリカ、フランス
取組レベル 国際機関レベルの取組、政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究