【ニュース・フランス】大気汚染:パリのLOAC計画で開発された計測器

屋外、あるいは閉ざされた環境のどちらにおいても、空気は、健康を害する恐れがある化学物質、生命汚染性物質、あるいは粒子状物質によって汚染されている可能性がある。数十分の一マイクロメータから数十マイクロメータに及ぶサイズのエアロゾル粒子が検出されれば、それは環境大気汚染という観点から人間の健康に重大な問題があることを表す。
数多くの汚染警告に対処するため、パリ市は首都の空気中の小粒子状物質の存在とその種類を、可能な限り詳細に調査するために、最先端技術の計測器を利用することにした。短期的には、これらの粒子は咳や気道の軽度の炎症の原因であるが、長期にわたって曝露されると、これらの粒子はがん、心臓循環器系疾患などの原因物質となる。

【リアルタイム分析】
フランス国立研究機構(ANR)の財政支援を受けたLOAC(Light Optical Aerosol Counter)計画で開発された、大気エアロゾルの小型のカウンタ・粒子計が、アンドレ・シトロエン公園から首都上空に毎日揚げられる「パリの気球」に設置されている。こうして2013年5月以降、カウンタは、パリの空気中に存在する1マイクロメータ以下の粒子の存在を追っている。パリ市、Airparif(イル・ド・フランス地方の空気の質の監督協会)、ゼネラリ社(イタリア最大の保険会社)、CNRS(フランス国立科学研究センター)、Aerophile社(バルーン会社)による協力によって推し進められたこの実験は、パリの空気の質に関するデータをリアルタイムで提供するだろうか?この実験によって、パリ地方における汚染のピークの主な2つの原因は道路交通と薪による個別暖房であるということが確認できた。
2013年12月と2014年3月の首都において観察された汚染の2つのピークの期間中、測定された微小粒子状物質の含有量は、通常時の15倍だった。最も高い値は、2013年12月13日に観測されたもので、通常リットルあたり20万の微小粒子状物質というデータに対して、リットルあたり600万の微小粒子状物質が存在するというものであった。この大気汚染は、継続的な受動喫煙中毒に相当すると見なされる。パリ中心地における汚染対策は、市当局によって2015年初めに提出されるであろう。

URL1: http://www.agence-nationale-recherche.fr/informations/actualites/detail/pollution-de-lair-un-instrument-developpe-dans-le-cadre-du-projet-loac-utilise-a-paris/

地域 西欧
フランス
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